9月3日(月) |
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9:00〜10:30 (90分) |
【講義1】 |
島が丸ごと博物館 大月町柏島 −持続可能な里海づくり − |
−NPO法人黒潮実感センタ− :神田 優所長 |
【講義概要】
大月町柏島は、高知県の西南端にある周囲3.9km、人口520人ほどの小さな島です。この島の魅力は、透明度20mを越す澄んだ海に棲む、1000種の魚類や日本有数のサンゴ群集、そして島の人情です。
黒潮実感センターでは、柏島の自然環境だけでなく、そこに住む人たちの暮らしもまとめて、「島が丸ごと博物館」と捉え、人と海が共存できる持続可能な「里海」づくりに取り組んでいます。 |
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10:45〜12:15 (90分) |
【講義2】 |
酒国土佐から高知酵母が宇宙へ飛んだ! −宙船(そらふね)を動かした地上の星は天喰(てんく)ろう!−
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高知大学農学部 :永田 信治教授 |
【講義概要】
2005年10月、高知で育った清酒酵母が、ロシアのソユーズロケットに乗って、国際宇宙ステーションに旅立ちました。そして2006年4月に、高知で土佐宇宙酒が誕生しました。こんな夢のようなお話が、どうして現実になったのでしょう。微生物を使った発酵醸造は、優れた生物と優れたヒトの技術に支えられています。産官学の連携が生み出した、高知の産業を支える微生物と長年培われたヒトと技術についてお話します。
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13:30〜15:00 (90分) |
【講義3】 |
先人に学ぶ − “漁師が釣って、漁師が焼いた”藁焼き鰹タタキ − |
明神水産株式会社 :明神 照男 取締役 |
【講義概要】
私どもの会社は、鰹の一本釣り漁業と「藁焼き鰹タタキ」などの加工品を手掛けています。「藁焼き鰹タタキ」についてお話ししましょう。これは、地域の昔を振り返りながら、少しずつ工夫を重ねるなかで生まれたものです。地域にある食文化を大切にすること、そこには地域の素材に付加価値を付けるヒントがあると思います。これからも、「漁師が釣って、漁師が焼いた」地域のおいしさを全国に向けて発信し続けたいと思います。
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9月4日(火) |
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9:00〜10:30 (90分) |
【講義4】 |
自由は土佐の山間にあり − 自由民権 − |
高知大学教育学部 :松岡 僖一教授 |
【講義概要】
土佐は自由民権運動のメッカです。ちょっと思いつくだけでも板垣退助、中江兆民、馬場辰猪、片岡健吉、植木枝盛など、そうそうたる民権家がいます。しかし、どのような運動が展開されたのかについては、意外に知られていない気がします。この講義では、土佐の運動の実態についてお話しし、我々はそこから何を学ばなければならないのかについて、一緒に考えたいと思います。
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10:45〜12:15 (90分) |
【講義5】 |
桂浜・龍馬記念館フィールド・ワーク
−土佐の歴史散歩− 龍馬の生まれた町記念館、自由民権記念館 |
高知大学人文学部 :田村 安興教授 |
【講義概要】
武市瑞山、坂本龍馬、中岡慎太郎など、幕末の勤王運動から明治維新に至る時期に土佐の青年達は大きな役割を果たしました。また征韓論争後の板垣退助達は高知の城下に立志社を設立しましたが、立志学舎は西の慶応義塾といわれ、文武両道の学問を行い多くの人材を育成しました。明治初期の土佐の人物の中には植木枝盛、中江兆民らがいます。土佐の人物と城下の町並みを解説します。
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13:30〜15:00 (90分) |
【講義6】 |
桂浜・龍馬記念館フィールド・ワーク
−確かに龍馬は生きている− 高知県立坂本龍馬記念館 |
高知県立坂本龍馬記念館:森 健志郎館長 |
【講義概要】
坂本龍馬記念館は、年間12万人から13万人の入館者があります。県内への観光客が減少する中でも、当館の入館者には変動がありません。理由は、「龍馬」人気です。若者の入館者が多いのも特徴ですし、人生の節目、節目に来館される方も少なくありません。いったい何をしに来るのか? 龍馬に会いに来るのです。龍馬に問いかけ、龍馬の眺めた海を見るのです。“確かに龍馬は生きている”、その実感をお伝えしたいと思います。
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9月5日(水) |
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9:00〜10:30 (90分) |
【講義7】 |
土佐弁と土佐人
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高知大学人文学部 :上野 智子教授 |
【講義概要】
ことばには、それが使われる土地の地域性と地域住民の性格が反映すると言われています。この高知県も例外ではありません。ところが、豪放磊落、融通無碍、頑固偏屈など、高知の県民性は強調されすぎるきらいがあるようです。土佐人は本当にそうなのでしょうか。現在、町中でもさかんに話されている、いろいろな土佐弁を紹介しながら、「土佐弁と土佐人」の関係を検証してみたいと思います。
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10:45〜12:15 (90分) |
【講義8】 |
四万十川とクジラ |
高知大学人文学部 :杉谷 隆教授 |
【講義概要】
クイズ。次の命題の正誤はどちらでしょうか:「四万十川は日本一の清流である」「高知県ではクジラを食べるのは禁止されている」。どちらも誤りです。もしあなたがこれらを「正しい」と思ったとしたら、それはどこに由来するのでしょうか。この講義では、地域振興や文化、あるいは県の東西端にあって準秘境イメージを売りにした観光地形成という観点から、地誌を講じます。
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9月6日(木) |
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9:00〜10:30 (90分) |
【講義9】 |
江戸時代の土佐にみる社会史 − 旅を中心に − |
高知大学人文学部 :荻 慎一郎教授 |
【講義概要】
江戸時代は旅が盛んとなった、「旅行の時代」でした。武家は参勤交代をはじめ公用等で、庶民も商用や出稼ぎ等の諸用で旅をしました。江戸時代の後半には、社寺参詣や物見遊山、湯治などの旅が一層盛んとなります。土佐の庶民の日記類にみられる、四国遍路や金毘羅参詣をはじめとする当時の旅の様子を史料に基づいて具体的に紹介し、当時の旅の実相、旅のもつ意義についても考えます。
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10:45〜12:15 (90分) |
【講義10】 |
戦争と高知 |
高知大学人文学部 :小幡 尚准教授 |
【講義概要】
明治から1945年頃までの日本では、人びとの生活や人生が「戦争」によって大きく規定されていました。もちろん、高知も例外ではありません。現在の高知大学朝倉キャンパスに置かれていた「郷土部隊」の存在、そして幾たびにもわたる戦争は、高知の地域社会にさまざまな影響を与えていたのです。この講義では、戦死者をめぐる問題を中心に、軍隊・戦争と高知との関わりについて具体的に考えてみたいと思います。
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13:30〜15:00 (90分) |
【講義11】 |
高知文学散歩 |
高知大学人文学部 :小澤 萬記教授 |
【講義概要】
日本の近代文学は故郷を離れ都会に移り住んだ人々によって形作られました。それらの人々の作品にはしばしば離れてきた故郷の姿が生き生きと描かれています。この講義では、近代文学に登場する高知の姿を見ていきたいと思います。1時間半の講義の中で実際に「散歩」をするのは困難ですので、作品テキストと、地図や映像を組み合わせながら作家の見た高知を追体験してみましょう。 |
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9月7日(金) |
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9:00〜10:30 (90分) |
【講義12】 |
サンゴとアユと森林 − 高知の流域環境の今 − |
高知大学名誉教授 :依光 良三 |
【講義概要】
土佐清水市竜串の国立公園・海中公園はサンゴとたくさんの魚が群れ泳ぐ豊かな海。2001年の集中豪雨で上流の山が崩れ、サンゴの海に著しい打撃を与えました。また、全国一のアユ漁獲量を誇った四万十川、地域の人々にアユ釣りの楽しみを与えてきた物部川。今さんたんたる状況に追い込まれています。森・川・海のつながりの中で森が壊れたとき何が起こるか、竜串と物部川を事例に流域環境の今と、再生への課題について話します。 |
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