高知大学 農林海洋科学部 大学院 総合人間自然科学研究科農学専攻

大学院インタビュー 平成23年度

青枯病の起因遺伝子を解明し
日本の農業発展に貢献したい


総合人間自然科学研究科1年(平成23年度)|兵庫県出身|森 友花


植物病原細菌について大学院でより深く研究

 母が生け花の先生をしており、私の家はいつも花がいっぱいでした。その影響から私も植物が大好きになり、大学では植物に関わる勉強がしたいと思っていました。高知大学農学部には植物の育種を学ぶコースもありますが、徐々に分子生物学の方面に関心を持つようになり、植物の分子レベルの勉強ができる生命化学コースに進みました。そして植物工学研究室に所属し、「Ralstonia solanacearumの宿主植物における増殖機構に関する研究」をテーマに学部卒業論文に取り組みました。
 大学院に進んだ現在も、同じテーマで研究を続けています。大学院への進学は、高校生の時から希望していました。自分の専門テーマを研究するなら長く続けたい、そして少しでも自分のものにしたい、という思いがあったからです。
 「Ralstonia solanacearum」は植物病原細菌の一種で、ナス科植物などに青枯病という病気を引き起こします。農業大国である高知県は、ナスやトマト、ピーマン栽培も盛んです。しかし、この病原細菌によってナスやトマト、ピーマンが青枯病になってしまうと、病気の進行を止めることができず、農業に大きな被害を与えてしまいます。
 この病原細菌が青枯病を起こす機構を解明するために、研究では遺伝子の変異株を作って植物に接種し、その過程を調査しています。私が取り上げている変異株は「糖結合タンパク質をコードするfml遺伝子変異株」というもの。ナス、トマト、タバコといったナス科の植物を使って、研究に取り組んでいます。


くじけそうな時期を乗り越え、高い意識を

 日々研究に没頭する毎日ですが、すべてが順調だった訳ではありません。研究はデータが出るまで時間がかかります。またデータが出ても、それをまとめる難しさを痛感し、途中で辞めたいと思ったこともありました。でも、研究室の教授(曵地先生、木場先生、水本先生)の「無駄なデータは一切ない」という言葉に励まされ、今も継続することができています。
 研究を通し、実験の楽しさも感じています。思い通りの実験結果が出た時はとてもうれしく、さらにやる気が出てきます。行き詰まってしまった時も、指導してくださっている先生方が親身になって相談にのってくれました。
 大学院に進み、自分自身の知識も増えました。私の研究室では、各自の研究を報告・発表するセミナーを2カ月に1回くらい行っており、学部生も参加することが可能です。高度なレベルなので、学部生の時は分からないこともありました。しかし、自分には関係ないと思っていたことも今では理解できるようになり、当初から参加していてよかったと思っています。 また院生になり、何より高い意識を持つようになりました。自分が選んだ道なのだから自信を持って取り組まなければ、と感じています。

病原菌の元株と変異株を植物に接種

病原菌の元株と変異株を植物に接種してその経過を分析し、病気に関係する因子を調べている。

仲間と切磋琢磨

仲間と切磋琢磨し合って、研究に取り組んでいる。


さまざまな経験を通して、広い視野を持てるように

 研究においても、学部生の時以上に自分のスケジュールで実験に打ち込めるようになったと思います。また、大学院1年の夏には、IUMSという国際会議でポスター発表も行いました。学会では、曵地先生や大西先生の計らいで、他大学の先生と交流する機会もありました。さまざまな方と話をすることで教えられたのは、物の見方は一つではないということ。実験室に閉じこもっていただけでは気付かないこともあり、外の世界に触れる大切さを学びました。そして、また頑張ろうという意欲を持てるようになりました。
 大学院2年の夏に国際学会が開かれるので、今はそれに向けて実験を重ねています。自分の研究はまだまだだと自覚しています。中途半端に終わらせたくないので、一通りの実験を最後までやり遂げ、最終的に論文として仕上げることが在学中の目標です。そしてこの研究が、将来、青枯病の防除に貢献できればと思っています。

研究内容をまとめ、IUMSという学会で発表。