高知大学 農林海洋科学部 大学院 総合人間自然科学研究科農学専攻

大学院インタビュー 平成23年度

未来の地球と人のために。
海が持つ無限の可能性を追い求めて


総合人間自然科学研究科1年(平成23年度)|兵庫県出身|大野浩平


学びたかった海洋環境問題。大学院で、より高度な研究を

海産珪藻

海産珪藻

 高校生の頃から生物に関心があった僕は、赤潮や水質汚濁といった海洋環境問題について学びたいと思い、高知大学農学部の海洋生物生産学コースに入学しました。
 もともと大学入学当初から、学部修了後は大学院に進みたいと考えていました。研究室に所属して自分が選択したテーマを研究できるのは、限られた時間です。より深く勉強したいと思っていたのがその理由でした。
 水族環境学研究室での学部卒論研究テーマは、「ウイルス由来プロモーターの適応範囲と最小領域の解明」です。研究はとても楽しく、大学院でも同じ研究室に所属して自分のテーマを追い続けています。
 海には無数の植物プランクトンが生息しています。僕は、その一種である珪藻を研究の主題にしています。珪藻は一万種以上ある単細胞性の藻類で、その中には光合成をしながらバイオ燃料としての有用物質を生産できるものがあり、近年大変注目されています。
 藻類から有用物質を効率的に生産するためには、遺伝子の形質転換が欠かせません。しかし、その技術はまだ確立されていないのが現状です。研究では、珪藻に感染するウイルスより遺伝子を発現させるスイッチ(プロモーター)を取り出し、このプロモーターを用いて形質転換試験を行っています。


専門家たちを前に緊張の発表。授業も、より専門的に

 より専門的な知識を学ぶ大学院では、学部のときに経験できないような出来事もありました。その一つが、学会での発表です。
 僕が大学院1年次の春に参加したのは、静岡県で開かれたマリンバイオテクノロジー学会です。研究の結果をスライドにまとめ、専門家たちを前にプレゼンテーションを行いました。スライド作成はもちろんですが、発表の練習も大変で、教授に何度も厳しい指摘を受けながら練習を重ねました。当日は、うまく発表できたか覚えていないほど緊張しましたが、とても良い経験ができたと思います。

 大学院では、授業の内容も濃密になります。授業は少人数のため、講義を受けるだけでなく、ときにはプレゼンテーションも行います。たとえば、水辺の環境問題について2人1組に分かれて実験し発表する機会がありました。普段一人での実験が多いため、友人と共に研究でき楽しかったです。
 研究室では、企画部長として芋掘り大会やバーベキュー、鍋会なども開催しています。同じ研究室に所属していても研究テーマが人それぞれ違うので、こうした共通のイベントを通して、楽しく学生生活を送りたいと思っています。

卒論発表の様子

卒論発表の様子


研究結果をまとめたスライド

研究結果をまとめたスライド

今年も学会に参加したい。特許取得という夢も追いかけて

 大学院に進み、知識もできることも増えました。以前は、教授に指導を仰ぎながら勉強を進めることもありましたが、大学院生になり、すべて自分で考え自分でスケジュールを立てて研究に取り組んでいます。
大変だと感じるのは、実験結果が出ないとき。実験方法が間違っているのか、何を改良すべきなのか、英語の論文を調べながら一人で探るのは苦労します。でも自分の好きな研究ができるのは、大学生のうちだけ。2012年は、高知県でマリンバイオテクノロジー学会があるので、データをまとめて発表できればと思っています。また、先輩が遺伝子改良技術で特許を取得したので、僕も頑張って特許を取れるような結果を出したいと思っています。
地球はいま、資源の枯渇や環境破壊など、さまざまな問題を抱えています。トウモロコシなど食料によるバイオ燃料も開発が進んでいますが、海は無限ですし、珪藻によるバイオ燃料生産なら食料との競合もありません。未来の地球、そして未来の人のために、珪藻によるバイオ燃料生産の可能性を追い求め、高知の海から世界に、研究を発信していきたいと思います。