高知大学 農林海洋科学部 大学院 総合人間自然科学研究科農学専攻

物部キャンパスの防災

"備える物部キャンパス"宣言

尾形凡生 農林海洋科学部長

 高知は、おおよそ100年ごとに、四国・紀伊・東海沖の南海トラフを震源地とする大地震に襲われてきました。古記録に残る白鳳地震(684)、仁和地震(887)、康和地震(1099)、正平地震(1361)、明応地震(1498)、慶長地震(1605)、宝永地震(1707)、安政地震(1854)はいずれも南海トラフ地震であるとされ、間隔が長いところも記録が抜けている可能性があるのでおおよそ100年と考えてよかろうとされています。
 最も近いのが昭和南海地震(1946)です。土佐湾沖のプレート境界に面しており地震自体を避けることができないというのは高知県の宿命です。定期的に発生するといってもその間隔がヒトの一生をほぼ超えているのが嫌なところで、人生で2回この地震に遭遇する人間はほぼおらず、前回地震の様子は伝聞で知るしかありません。 昭和南海地震から70年を経て、日頃からの警戒を要する時期に入りつつあるわけですが、来るべき次の大地震は、これまで繰り返し襲ってきた南海トラフ地震とはまったく異なる点があります。それは、近代科学の成果によって、私たちは「それほど遠くない将来、南海トラフ地震が必ずまた発生する」のを知っているということです。これまでは地震と津波の恐ろしさについての伝承はありましたが、いつ来るという科学的予測はできなかったので、結局、不意を突かれることを繰り返してきたのではないかと思います。
 情報伝達技術の発達した現代、私たちは大津波を伴った東北地方太平洋沖地震(2011)や都市型の兵庫県南部地震(1995)で何が起こったかを詳細に知り、備えの一助とすることができます。高知大学では本ホームページに掲載されている非常事態発生時の行動マニュアルや地震・津波ハザードマップを作成しました。また、農林海洋科学部のある南国市物部キャンパスでは、年2回の地震津波避難訓練を実施して、「不意を突かれない」「揺れる2分の間に怪我をしない」「パニックに陥らない」「速やかに高い場所に避難する」という一連の行動を、学生・教職員一同、意識の底に刷り込むことを目指しています。慢心してはいけませんが、備えあれば憂いなしです。

免震構造を持つ非常用電源装置 免震構造を持つ非常用電源装置 (写真キャプション) 構内各所に井戸や給水装置を設置 (写真キャプション) 構内各所に井戸や給水装置を設置