高知大学 農林海洋科学部 大学院 総合人間自然科学研究科農学専攻

ものべキャンパスのお話

学部卒論研究

何時間もかけて分析 海の水質改善の研究

石川直也さん

 出身が香川県なので、子どもの頃から高知によく遊びに来ていました。高知大学に入学したのは、自然に恵まれた高知大の農学部なら、良い環境で学べると思ったからです。
 僕の学年は、流域環境工学コースの学生人数が少なかったため、2年生のときから授業はどれもゼミのような雰囲気でした。そのため先生とよく話すことができ、内容の濃い授業が受けられたと思います。

膨大な実験やデータ収集を経て
完成させた論文に感無量

 もともと自然環境、とくに水環境に関心があり、流域水工学研究室に所属しました。卒業論文のテーマは、香川県小豆島周辺海域の水環境改善を目標とした研究です。
 現在、海では、海底から掘り下がった深掘れという箇所にヘドロが溜まり、水質に悪影響を及ぼしています。
 ヘドロの上に砂を被せる「覆砂」という工法があるのですが、僕の地元、香川県は小豆島石という花崗岩が有名です。花崗岩による覆砂は実例がありませんが、地元で余っている花崗岩を有効に利用し、水質改善の効果が期待できないか、研究を進めました。


実験風景

 最初に水槽にヘドロを敷き詰めて海水を入れ、水質分析を行いました。その後、花崗岩を被せ、最初の一週間は毎日、その後は一週間ごとにサンプルを取りました。
 研究で一番苦労したのは、やはりサンプルの分析です。分析は、機械のある島根大学で行いました。サンプル一カ月分を車に積み、朝4時に出発します。着いてからは、機械や薬品の準備にまず3時間。サンプルの分析は1本あたり7、8分ですが、一カ月分が100本くらいあるので、次の日の夜中3時までかかったこともあります。夜中に分析が終わった後は、試験管を洗うなど、片付けに数時間もかかりました。
 分析結果を持ち帰ったあとは、データをまとめる作業です。結果がよく分からないこともあり、どうしてそうなるのか勉強しました。
 大学は高校と違い、自分で考えて行動することが求められます。特に研究室に入ってからは、授業では学ばないことを自分で勉強しながら研究を進めていくことになります。僕の場合は、最終的に花崗岩の覆砂によってリンが抑えられたことが確認でき、卒業論文が完成したときはとても感慨深い気持ちになりました。


勉強とサークル活動を両立。充実したキャンパスライフ

研究室にて

 僕は、1年生のときからバドミントン部に所属しています。3年生のときには地区予選を勝ち抜き、全日本学生バドミントン選手権にも出場しました。勉強と部活動の両立は大変でしたが、友人も多くでき、充実した日々を過ごすことができました。
 物部川がすぐ目の前を流れる高知大学農学部は、自然を身近に感じながら勉強できるのが魅力です。研究室の教授には、自分の研究に対してはスペシャリストになれと言われます。恵まれた環境のなか、大学院では、覆砂でリンを抑えたあと、どうすればさらに水質を改善できるのか、水環境改善というテーマを追いかけていきたいと思います。