高知大学 農林海洋科学部 大学院 総合人間自然科学研究科農学専攻

ものべキャンパスのお話

学部卒論研究

CO2のデータ観測に挑戦

山﨑祥子さん

 高校では物理や化学を専攻していたので、大学では新たに生物学を学びたいと思っていました。将来、生物学の知識を活かした仕事に就きたいと思っていたのも、高知大学農学部に入学した理由です。
 所属しているのは、気象環境学研究室です。小学校の頃から環境問題に興味があり、卒業論文では、畑地圃場における二酸化炭素の動態変化について研究しました。

理解するのに苦労した
気象の理論やプログラム作成

 地球上では、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスが増加し、温暖化が進んでいます。私たちはこの問題に早急に取り組んでいかなければなりませんが、現在高知県には、二酸化炭素のモニタリング地点があまりありません。データがない分野だったので、新しいことにチャレンジしようと思い、このテーマに取り組ました。


実験圃場に設置した微気象観測システム

 研究では、植物の二酸化炭素吸収量が生長過程でどう変化するか着目しました。物部キャンパス内の牧草を栽培する実験圃場に二酸化炭素の計測機械を設定し、牧草の種蒔きから成長に沿ってデータを記録しました。
 植物は、光合成を行って二酸化炭素を吸収します。また、呼吸により土壌から放出されることもあり、二酸化炭素は大気中に循環しています。測定システムでは、牧草が吸収・排出する二酸化炭素量や大気中の濃度を記録しました。しかし研究するうえでより大切なのはフラックスと呼ばれる大気中の輸送量なので、計測した濃度を元に、二酸化炭素の大気中の流れを導き出すことに取り組みました。
 研究で大変だったのは、二酸化炭素濃度を表すppmといった、聞き慣れない単位や用語がたくさんあった点です。また、気象の分野では収録されたデータを処理するためのプログラム作成が必要とされます。プログラミングの知識がまったくなかったので、基礎から学ばなければならず、とても苦労しました。
 しかし、最終的に観測したデータをグラフで表すと、その変化が一目瞭然で分かり面白かったです。研究では、牧草の生長時期は二酸化炭素の吸収率が高く、大気中の濃度が低くなることが分かりました。一方、牧草の生長が止まると排出率のほうが高くなり、二酸化炭素濃度は高くなります。また、昼間と夜間でも、濃度の違いが明らかになりました。
 最初の頃は環境問題に関する知識が不足していましたが、研究を通して、環境アセスメントやプログラミングについて学ぶこともできました。計測したデータは後輩に引き継いでいきたいと思っています。また、研究室の先生が地球温暖化研究のプロジェクトに参画していらっしゃるので、この研究データが活用されればと思っています。


大学は、様々なことを経験し、新しい自分を見つける場所

 勉強以外では、弓道部の活動にも積極的に取り組みました。平日は授業が終わったあと、土日は朝から自主練習をするなど、多くの時間を部活に費やしました。目標をもって弓道を続け、充実した日々を過ごすことができたと思います。
 大学は、自分が興味を持った分野を深く勉強できる場所だと思います。授業は難しいですが、疑問に思ったことを先生方に相談すると詳しく教えてくださるので、とても楽しかったです。大学はまた、様々な事に挑戦できる場所でもあります。私は大学で、希望だった生物学の勉強ができました。また4年生になって法学の授業も受講し、視野が広がりました。これから大学生になる方も、大学時代にいろいろな勉強にチャレンジして、新しい自分を発見してほしいと思います。