高知大学農林海洋科学部・大学院総合人間自然科学研究科農林海洋科学専攻

学び360度! 先輩たちの声
大学での学び方や先生との関係、農学生生活、サークルなどなど……。
高校とは違う大学でのリアルな生活を先輩たちに聞いてみました。

3〜4年生での学び

海とラボを往復しながら、研究に没頭!
―アクティブ研究ライフにどっぷり浸かろう

船岳祐作

海洋資源科学科 海洋生命科学コース(2021年度)
岡山県出身

海と研究室を行き来しながら、ここでしかできないテーマに挑む船岳さん。その研究生活や、今後の進路について教えてもらいました。

Q 現在取り組んでいる研究は?

僕が所属しているのは、長﨑慶三先生の「水圏ウイルス研究室」です。養殖漁業などにおいて赤潮は甚大な漁業被害などを引き起こす問題の一つですが、僕はその潮の原因となるプランクトン「ヘテロシグマ・アカシオ」に感染し、それを死滅させるウイルス「HaV」について研究をしています。実はヘテロシグマ・アカシオとHaVの関係はとても複雑で、HaVに感染したからといってすべてのヘテロシグマが死ぬわけではありません。そこで、宿主とウイルスの関係性を読み解こうと、分子的なレベルで研究を進めています。
試料となる海水を採水しているのは、浦ノ内湾という赤潮が頻発する海域です。ここに高知大学の「海洋生物教育研究施設」があり、そこから実習船に乗って湾内のいろいろな場所の海水をサンプリングします。採水サンプルを研究室に持ち帰って、今度は藻類やウイルスを単離し、そこからさらに遺伝子を抽出していきます。体力も技術も、エネルギーも必要ですが、とてもやりがいのある研究です!

Q 研究の楽しいところは?

この「HaV」は、長﨑先生が発見されたウイルスです。世界ではまだ藻類に感染するウイルスはほとんど発見されておらず、研究者も少ない。そういうフロンティア領域に挑戦できるのはとてもワクワクしますね。
また、研究ではすべてがうまくいくとは限りません。僕は途中、実験がうまくいかなかった時期が長くありましたが、条件を変えたりいろいろ試行錯誤したりして、やっといい結果が出せた時は本当に嬉しかったですね。

海水サンプリングの様子

Q 先生との距離や研究室の雰囲気は?

水圏ウイルス研究室には、3年生から修士2年生まで、現在5名の学生が所属しています。先生は僕たち学生によく声をかけてくださり、とても話しやすい雰囲気があります。うちの研究室の特徴は議論が多いこと。もう実験するたびに先生と議論、議論です。
また修士の先輩もいろいろ教えてくれます。今は自分が3年生に教えることもありますが、教えることで自分の理解が足りていなかった点を確認できたりもするので、まさに研究室みんなで学び合っている感じですね。
研究以外では、時々先生が肉とかうどんとかを差し入れてくれて、ありがたくみんなで分け合って食べています!

Q 学会などは?

今年はコロナ禍で実際に海外に行くことはありませんでしたが、高知大学と提携を結んでいる海外の大学が参加する「黒潮圏科学国際シンポジウム」が秋に開催され、僕もオンラインで参加しました。英語で研究発表を行いましたが、質疑応答でのリスニング、スピーキングが難しく、英語力の必要性を痛感しました。特にフィリピンや台湾など海外の学生は英語力が高く、刺激を受けました。

Q サークルや部活動は?

サークルは特に入っていませんが、休みの日には桂浜や室戸岬、室戸ジオパークなどに遊びに行きました。一番心に残っているのは高知県の西南端、大月町柏島の海で泳いだことです。ダイビングの聖地と言われるほど透明度が抜群で、本当にきれいでした。
また、僕は寮生なのですが、寮と言えば夏はよさこい祭りです! 1年生の時は朝倉キャンパスの南溟寮、2年生以降は物部キャンパスの日章寮のチームでよさこいを踊りました。これは言葉では伝わらないと思うので、ぜひ写真を見てください(笑)。

 

ダイビングの聖地と言われている大月町柏島

日章寮チームで参加したよさこい祭り

Q 今後の進路は?

大学院に進学します。今の研究室でもっと水圏ウイルスについて研究を続けたいし、将来はアカデミアの研究者になりたいと思っているので、その夢を叶えられるよう実力をつけたいと考えています。大好きな生物や自然と触れ合いながら研究を続け、ひいてはそれが地球環境や持続可能性などに貢献できたら嬉しい―この大きな目標に向け、がんばっていきたいと思っています。