高知大学農林海洋科学部・大学院総合人間自然科学研究科農林海洋科学専攻

進路・就職
ここでは、各学科のキャリアイメージと先輩たちの就活体験談、
就活サポート体制や取得できる資格についてご紹介します。

−先輩たちの就活体験−

農業、食、環境
広く学べたことが
自分の土台に

大隅雄貴

自然環境学コース4年(2012年度取材)
広島県出身
全農物流株式会社 内定

Q 就職活動を意識はじめたのはいつ頃ですか。

大学3年の夏にインターンシップに行ったのが、就活を意識して行った最初の活動です。3年生の12月からエントリーを開始し、会社説明会は35社ほど参加しました。その中で実際に試験を受けたのは25社くらいでしょうか。最終的に全農物流に内定をいただいたのは4年生の12月でした。

Q 業種や職種はどういうふうに絞っていったのですか。

最初はインフラを支える仕事に関心があり、鉄道や旅行業など興味を持った分野を広く回って行きました。けれど就職試験を受けていく中で最終面接まで行って落とされるということが何社か続き、そこで本当に自分が興味を持っていることは何なのかを見つめ直そうと、いったん立ち止まって考えました。その時に農学部に入学した理由を思い出し、やっぱり農業関係の仕事に就きたいと強く思って、JAグループに的を絞りました。

Q 現在の会社で働きたいと思った決め手は何ですか。

私がこれから携わる仕事は、農家が生産した米穀・青果・酪農品などや、農家が生産のために使う肥料・飼料の輸送・保管・管理です。安心・安全な農作物を消費者に届けるという日本の食を支える仕事で、そこに大きな魅力を感じました。
また、大学の授業の中で県の農業技術センターに行って様々な作物の試験栽培を学んだり、農業に関わる人たちと触れ合う機会があり、作り手の想いや努力も知りました。そういったものの結晶である"おいしい食"を、より多くの人に届けたいという気持ちも大きいです。

Q ご自身の就職活動におけるポイントは何だったと思いますか。

何社か連続で落ちた時、一回立ち止まったと言いましたが、実はその時「自分史」を作りました。0歳から今までの自分をノートに細かく書きだして見つめ直す作業を、1週間くらいかけてやりました。その間は、就活は完全にストップしていましたが、それがよかったと思います。これから就活に向かう皆さんも、自己分析をして深く自分を振り返る機会を持つことをお勧めします。

Q この4年間で最も印象に残っている出来事を教えてください。

一つはインターンシップです。行った先は香川県の食料品会社で、そこではじめて「働く」とはどういうことかを知りました。社員の方がいろんな生産現場をつないだり、工場のパートさんたちをまとめたりしていて、人間関係の大切さなども含め仕事って奥が深いと感じました。
もう一つは大学生協のアルバイトで、新入生を対象にしたパソコン講座を担当したことです。そこでリーダーを務め、人をまとめて何かを実行する難しさ、楽しさを学びました。
この二つの出来事がちょうど同時期にあり、自分なりに成長できたかなと感じました。

Q これからの抱負を聞かせてください。

私が自然環境学コースで研究したテーマは農業気象学という分野で、その知識がこれからの仕事に直接関係することはないかもしれません。けれど高知大学では広く「農業」「食」「環境」について学ぶことができました。それが今後、自分の土台になると思います。
また、例えば高知ならショウガ、ニラといった特徴的な農作物があるように、日本各地にいろいろなおいしい農作物がたくさんあります。その土地によって作るものは違っても、農業に対する想いは同じはず。それを大切にしながら「安心・安全でおいしい食」を日本全国、そしてできれば世界へと届けていきたいと思っています。