高知大学農林海洋科学部・大学院総合人間自然科学研究科農林海洋科学専攻

進路・就職
ここでは、各学科のキャリアイメージと先輩たちの就活体験談、
就活サポート体制や取得できる資格についてご紹介します。

−先輩たちの就活体験−

産業活性化と環境保護の両立に取り組みたい

中澤知美

森林科学コース4年(2012年度取材)
高知県出身
高知県職員上級職(林業) 内定

Q どうして公務員を目指したのですか。

もともと熱帯雨林の伐採など環境問題に興味を持っていましたが、勉強していくうちに海外の違法伐採を無くすにはまずは国内の林業の活性化が必要だと感じるようになりました。大学の授業や個人的な活動の中で、高知県の山の現状や林業を取り巻く課題を目の当たりにし、それを何とか解決したいと強く思ったことが公務員の専門職を目指した理由です。

Q 試験対策はどのように進めましたか?

試験勉強を開始したのは、大学3年の4月です。周囲もだいたい同じくらいのスタートでした。
私の場合、教養試験については公務員予備校に通って勉強しました。専門試験の方は、研究室の先生が時間を割いて添削などの指導をしてくださいました。他の公務員志望の学生と5人、先生の研究室で週一回くらいのペースで一緒にやっていましたね。忙しい中、私たちのために時間を作って教えてくださった先生には、本当に感謝しています! 論文の方は配点が低かったので、特別な対策はしていません。

Q ご自身の試験対策におけるポイントは何だったと思いますか。

公務員試験と並行して、数社ですが一般企業の説明会にも参加していました。そこで得た情報が公務員試験に役立ちました。例えば高知県下には、ある製品においてトップシェアを誇るというようなニッチ企業がいくつかあります。そういう高知県の産業の特徴を公務員試験の面接で話せたことはよかったですね。

Q 高知大学で学んでよかった点を教えてください。

海、山、川のすべての現場がキャンパスに近いので、現場主義で勉強できる点です。
特に高知県は森林率が84%と日本一の森林県。森林科学コースではその山の中の演習林に1週間泊まりこんで、測量や下刈り、間伐など山の実態と作業を学ぶ「演習林実習」があります。それは本当に楽しかったですね。毎晩キャンプファイヤー(!!!)しながら、先生や友だちといろんな話をして、お互いの距離もぐっと縮まりました。この授業は2年生の後期から3年生にかけて計4回行われますが、現場が近いという良さ、少人数制の良さを活かした授業だと思います。

Q 授業以外に取り組んだ活動などはありますか。

四国山地では今、鹿の食害が大きな問題になっています。その実態調査をしているのが高知大学農学部を退官された先生を中心とするグループで、私もそこに参加させてもらって年に4回ほど山に登って調査のお手伝いをしました。その活動の中で気づいたのは、私たち人間の生活の変化が山の生態系に影響を与えているという事実。これから仕事として取り組んでいきたいテーマの一つです。

Q これからの抱負を聞かせてください。

自治体が取り組んでいる森林活用施策の中でも、私が特に興味を持っているのは地産外消による県産材の販売促進や、温室効果ガス排出権を企業に販売するJ-VER制度の活用です。大学で学んだ知識や経験を活かして、産業活性化と環境保護を両立できる仕事がしていければと思っています。