2010年〜2015年のプロジェクト研究

 

1)様々な時間空間軸での海洋・地球に関する領域横断研究
Cross-disciplinary study on the ocean and the earth on various temporospatial axises
津田,斉藤,川畑,岡村


2)持続性社会を目指したグリーン触媒・材料・分析法の開発
Project for sustainable development with green chemical catalysis, materials and analysis.
上田,蒲生,柳澤,北條,恩田

人口増加や経済発展のグローバリゼーションによって,石油を初めとする資源の枯渇や環境汚染等の問題が深刻化している。そのような問題を抱えつつ,将来にわたって持続性社会を構築するには,様々な技術革新が喫緊の課題である。これらの問題解決に繋がる化学的なアプローチとして,環境にやさしい物質を使用して,無駄なく,欲しい物質だけを効率よく作るための触媒と反応プロセスが必要になるとともに,そのような開発を支える分析法や反応解析が重要となる。加えて,これまでに排出された環境化学物質の定量と,環境汚染物質の無害化処理・有効利用技術の開発も必要である
これらの課題を実現するために,本プロジェクトでは,高機能性触媒(無機固体触媒,スルホン化活性炭,ポリオキソメタレート錯体)および触媒反応プロセスの開発,水熱反応を利用した機能性材料(電池材料)の開発や産業廃棄物(ガラス,アスベスト)の処理・処分・有効利用技術の開発,様々な環境化学物質の高感度分析法(特殊充填剤を用いたクロマトグラフィー,電気化学)の開発,溶液(触媒反応溶液,濃厚塩溶液)内のスペシエーション分析等の研究を行う。


3)高次機能物質の創出と物性・機能評価および環境,医療,エレクトロニクス・エネルギー分野への応用

Material challenges for future applications in life science, energy, and environment.
渡辺,米村,波多野,梶芳,松本

 

医療・健康,環境・エネルギーの問題など社会要請の強い重要課題を解決し,環境調和に配慮した安全・安心な社会を実現するには,それを支える科学技術とその拠り所となる独創的な学理の創成が不可欠である。特に“ものづくり(=化学)”は,新しい機能物質・機能材料の創製,革新的な加工・計測技術の開発など,ライフサイエンスからエレクトロニクス,環境,資源・エネルギーに至るまで様々な分野のイノベーションを支える原動力であり,各種技術の有機的な融合により,先進的なエネルギー変換システムや診断・治療システムの創出が求められている。
本プロジェクトでは,個別技術だけに頼らず複合的な取り組みを通じて,以下の実現を目的とし研究開発を実施する。
(1) 人・環境にやさしい化学合成技術の開発(高機能性錯体触媒,立体特異的キラル増殖自己組織化反応,光脱炭酸反応による金属−炭素結合の形成,ソフト溶液プロセス)
(2) 加工・計測技術の開発(省資源ナノ構造作製・集積化技術,超高感度プラズモニックセンサー)
(3) 有機機能物質の開発(有機エレクトロニクス用機能性色素,植物栽培における光環境調整用波長変換資材,医療診断・手術用近赤外発光色素)
(4) 無機機能物質の開発(強誘電体,焦電体,圧電体,半導体,電池材料,センサー材料)
(5) 有機無機複合機能物質の開発(環境志向型多機能ハイブリッド錯体,人工シデロフォア,無侵襲バイオイメージング用ナノ粒子,簡易健康診断用ナノ粒子検査薬)