大学院医科学専攻1年新武享朗さんが第69回日本薬理学会西南部会優秀発表賞を受賞しました

2016年12月16日

 平成28年11月26日に松山大学で開催された第69回日本薬理学会西南部会において、大学院総合人間自然科学研究科医科学専攻修士課程1年の新武享朗さんが「脳虚血後の細胞外亜鉛による海馬ミクログリアM1極性誘導についての解析」という演題で、優秀発表賞を受賞しました。 

  

 具体的な受賞内容は以下のとおりです。

 近年、重篤な脳卒中後遺症である認知機能障害は、脳内免疫担当細胞であるミクログリアの神経傷害性機能の誘導(M1極性誘導)とそれに伴う過剰な炎症反応によって惹起されることが指摘されています。しかし、M1極性誘導を促進し、過剰な炎症反応の惹起に関与する因子に関しては明らかになっていませんでした。新武さんは、脳卒中早期に記憶形成に関与する海馬領域の神経細胞から亜鉛イオンが過剰放出される現象に着目し、亜鉛イオンとミクログリアのM1極性誘導について検討を行いました。その結果、脳卒中早期に過剰放出される亜鉛イオンはミクログリアのM1極性誘導の促進ならびに炎症性サイトカイン産生の増大を惹起することを見出し、その分子メカニズムとしてミクログリア細胞内の複数の酵素が関与する亜鉛シグナル伝達経路の存在も明らかにしました。さらに彼は、これらの事象が認知機能の障害に関与することをマウスの行動解析によって証明し、亜鉛シグナル伝達を抑制することで障害を阻止できることも明らかにしました。これらの成果は、脳卒中後の認知機能障害を阻止する新しい予防・治療戦力の開発に向けた重要な基礎資料となることが期待されます。

日本薬理学会西南部会優秀発表賞新武さん.jpg


 

 

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