黒潮圏総合科学専攻の奥田一雄教授、関田諭子准教授らの共同研究の成果がNature系科学誌「Scientific Reports」に掲載されました

2018年4月9日

 大学院黒潮圏総合科学専攻の奥田一雄教授、関田諭子准教授と東京大学大学院新領域創成科学研究科の河野重行教授、大矢禎一教授らの共同研究グループは、光学顕微鏡とハイパースペクトルカメラを使って、カロテノイドやクロロフィル(葉緑素)の分布を可視化することに成功しました。ヘマトコッカス藻を強光に曝露すると、カロテノイドのうちアスタキサンチンだけが5〜10分という短い時間で細胞中心部から細胞膜直下に移動し、葉緑体を日焼けから守るシェードのようにアスタキサンチンが覆い、ヘマトコッカス藻の全体が赤い細胞になることを発見しました。また、全体が赤くなった細胞を弱光下に置くとアスタキサンチンは細胞の中心部にゆっくりと戻っていきます。カロテノイドのなかで、細胞膜の直下に移動して日焼け止めのシェードになるのがアスタキサンチンだけであることは、画像を分光できるハイパースペクトルカメラを使って明らかにしました。アスタキサンチンは水には溶けないので、アスタキサンチンが細胞膜の直下に移動するということは油滴が細胞膜の直下で葉緑体全体を覆うことを示しています。細胞を押しつぶして葉緑体を外に飛び出させて観察すると、アスタキサンチンが溶け込むことで赤くなった大小の油滴が葉緑体を取り囲んでいることがわかりました。葉緑体内部にはアスタキサンチンを含む赤い油滴が流れる隙間がたくさんあり「火星の運河」のように見えることもわかりました。細胞を急速に凍らせて割って中身を見るフリーズフラクチャー法で電子顕微鏡(電顕)観察すると、アスタキサンチンが溶け込んだ油滴が葉緑体の間を通って細胞膜の直下に集まることが確かめられました。

 共同研究成果発表内容「アスキタサンチンの日焼け止め~ハイパースペクトルカメラと電顕で見えてきたヘマトコッカス藻の強光回避戦略~」.pdf(1.83MBytes)

【発表論文】
雑誌名:Scientific Reports(オンライン版2018年4月4日掲載)
論文タイトル: Carotenoid dynamics and lipid droplet containing astaxanthin in response to light in the green alga Haematococcus pluvialis
著者: Shuhei Ota1,*, Aya Morita1, Shinsuke Ohnuki1, Aiko Hirata1,2, Satoko Sekida3, Kazuo Okuda3, Yoshikazu Ohya1, Shigeyuki Kawano1,4* (*Corresponding authors: S. Ota and S. Kawano)
1東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻、2東京大学大学院新領域創成科学研究科バイオイメージングセンター、3高知大学大学院黒潮圏総合科学専攻、 4東京大学フューチャーセンター推進機構
DOI番号:10.1038/s41598-018-23854-w
URL:www.nature.com/articles/s41598-018-23854-w

 

 

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