教育学部門の幸 篤武講師の研究成果が、米国の医学誌『Journal of the American Medical Directors Association』に掲載されました。

2019年2月28日

 教育学部門の幸 篤武講師らによる研究論文「Daily Physical Activity Predicts Frailty Development Among Community-Dwelling Older Japanese Adults」が2019年2月18日付で米国の老年医学雑誌Journal of the American Medical Directors Associationの電子版に掲載されました。

 フレイルとは高齢期において心身のさまざまな機能が低下した状態を指します。高齢者がフレイルに陥ることで生活能力が低下したり、死亡率が高まったりすることがあります。フレイルの発症を予防するためには身体活動を積極的に行うことが有効とされていましたが、日本人高齢者にもあてはまるかについては明らかではありませんでした。

 幸 篤武講師は国立研究開発法人国立長寿医療研究センターなどと共同で、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」に参加する地域在住高齢者401名の約10年間の追跡データを用い、身体活動量の多さがフレイルの発症を予防するかについて解析を行いました。その結果、フレイルに陥るリスクは、1日あたり5,000歩以上歩いている場合、5,000歩未満の場合の約半分まで下がることがわかりました。また歩行よりも負荷の高い3メッツ以上の中強度以上の身体活動を1日あたり8分間以上行っている場合も同様に、フレイルの発症リスクが下がることがわかりました。これらの結果は、歩数であれば1日5,000歩以上、スポーツなどのある程度負荷のかかる余暇活動であれば1日8分以上行うことを目安として、座りがちな生活にならないようにすることでフレイルに陥りにくくなることを意味しています。

 高知県をはじめとして我が国では高齢化が急速に進行しています。今後、本研究の成果をもとにして、介護予防のための有効なプログラムが開発されることが期待されます。

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