◆医学部生理学(循環制御学)講座の戸高寛助教及び佐藤隆幸教授らの研究グループの研究成果が国際誌「European Journal of Pharmacology」に掲載されました

2021年10月20日

 医学部生理学(循環制御学)講座の戸高寛助教及び佐藤隆幸教授らの研究グループの研究成果が国際誌「European Journal of Pharmacology」に掲載され、令和3年9月25日に電子版が公開されました。

 骨格筋量の減少により、骨折や糖尿病を含めた様々な疾患の発症リスクが増加することは広く知られています。超高齢化社会である現代においては、骨格筋量減少の悩みを抱える高齢者数は増加の一途を辿っており、骨格筋量の減少に対する新たな予防法や治療法の開発が強く求められています。

 戸高助教らは、世界中で使用される認知症治療薬であるドネペジルが筋サテライト細胞の増殖促進作用及び抗炎症作用を有することに着目し、ドネペジルを筋損傷状態にあるマウスに投与して骨格筋量の減少に対する効果を解析したところ、ドネペジルが筋調節因子や筋構成因子の発現量を上昇させ、さらには筋線維を肥大化させることが明らかになりました。この結果は、ドネペジルが認知症の症状を改善するだけではなく、筋再生を促進するという新たな薬効を有することを示唆しています。

 本研究成果は今後、骨格筋量の減少やその他の筋疾患に対する新たな予防法や治療法の開発に大きく貢献できることが期待されます。

 

<論文名>Donepezil, an anti-Alzheimer's disease drug, promotes differentiation and regeneration in injured skeletal muscle through the elevation of the expression of myogenic regulatory factors

<和訳>認知症治療薬ドネペジルは損傷した骨格筋において筋調節因子の発現を増加させて筋再生を促進する

 

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