同門会

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コロナ禍、お見舞い申し上げます

高知大学麻酔科学教室同門会
会長 橘 壽人

 皆さん大過なくお過ごしでしょうか。それぞれの場で、ただでさえ多忙な日々を送りながらコロナ対応が加わり、ご苦労・ご不自由をされていることでしょう。

 この原稿を書いているころ、COVID-19が毎日の話題になってはや1年半余りが経過していますが、収束どころか感染はさらに全国で拡大し、極めて憂慮すべき状況に陥っています。東京をはじめとし、全国的に医療崩壊という言葉が日常的に伝えられています。高知県でも例外ではなく、崩壊とまでは至らぬまでも患者数は増加しており、「蔓延防止等重点措置」が適用されそうです。えてしてピークは都会よりも遅れてやってくる過去の傾向を心配するのは私だけでしょうか。決して人的にも豊潤でない県の医療事情を考えると、今まで以上に県民すべてが都会の現実を教訓とし、対応していかなければならないのでしょう。

 医療従事者の多忙・困窮は言うに及ばずですが、感染症という特異性から、保健所や行政がまず前面に立って関わらなければならないのはやむを得ないといえども、その業務量は極めて多大であり、想像を絶するものであろうことは、かつて比較的近くにいたものとしてはなおさら容易に理解できます。そのご苦労に敬意を表するとともに、同情さえ覚えますが、さらに状態が悪化すればそういうシステム自体を考え直さなければならないような、まさに逼迫した状態に陥るのかもしれません。

 以前、特に救急医療や、周産期・小児救急医療の分野で医療逼迫という言葉がよく聞かれたのは、そう遠くない前のことであります。救急車による「たらいまわし」とまで言われ問題となりました。この度の状況でも同様なことが起こっており、さらには災害級とまで言われるようになっております。全国の感染症爆発状態下では、災害時の他県への応援体制や広域搬送といった仕組みや概念も容易に適応されないでしょう。少なくとも県内での対応を余儀なくされるでしょうが、そんな時、危機に対応するには、行政の対策はもちろんでありますが、医療従事者としては、より一層の積極的な参画・連携が必要であろうと思います。国が主導して進めている少し悩ましい「地域医療構想の実現、医療従事者の働き方改革、医師偏在対策」の改革は今も継続して議論されているようですが、コロナ禍の現状では矛盾した現実もあろうかと思われ、ちょっと一休みし、関係者の取り組みにも支障をきたすのかもしれません。

 さて、高知大学医学部麻酔科学教室同門会を横山正尚教授が立ち上げてくださり十数年がたちますが、初代西山勤吾会長、その後の横山会長、および教室員の皆様はじめ同門会の皆々さまのご尽力にはあらためて感謝申し上げます。横山先生への慰労・感謝会、河野崇新教授、西山新教授の祝賀会などもまともにできず、口惜しく思っておりますが、その実現をはじめ、同門の皆様と情報・学識を共有し親睦を図ることができる状況が早く訪れることを願っているところです。

 この度、同門会長を拝命した私ですが、如何せん浅慮・非才な人間ですので、皆様の今まで以上のご協力が必要不可欠です。ご指導ご鞭撻の程、よろしくお願いいたします。

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