土佐市民病院に赴任して神元 裕子

2012年4月から土佐市民病院に赴任しました。病院スタッフのみなさんにお気遣いいただきながら、一人麻酔科医という環境でもマイペースで勤務できていることに感謝しております。

月曜日から木曜日は土佐市民病院で麻酔業務を行い、金曜日は高知大学附属病院で非癌性慢性痛を対象に外来診療を細々と続けています。それを知った土佐市民病院の看護部に依頼され、8月には痛みの基礎について30-40人のナースに講義を行いました。活発な質問にたじたじとなりましたが、一般のナースが術後痛や癌性疼痛を看るときの本音なども窺い知れて、非常に興味深かったです。

7人の手術部ナースは手術が少ない時でも内視鏡室や外来へ駆り出されて忙しいのですが、その合間を狙って小さな勉強会も開いています。一人で麻酔をするようになって適切な補助をしてくれるナースのありがたみがつくづく分かるようになり、麻酔のことをもっと理解してほしいと思うようになりました。

たまには病棟や救急外来のCPA対応にも呼ばれます。昔取った杵柄でちょっとしたアドバイスなど行っていたところ、今度は看護部から院内BLS講習を依頼されました。手術部ナースと共に計画立案し、土佐市消防署から研修用機材の貸与と3人の隊員の応援もいただき、9月に約50人のコメディカルスタッフを対象に講習会を開きました。救急医学をご専門とする先生方から見ればつたない講習会だったと思いますが、これをきっかけにICLSコースなどに興味をもっていただけたらという思いで臨みました。写真はそのときの様子です。

赴任当初は麻酔科管理手術が少なく、上記のようなことものんびりやっておりましたが、この秋から少しずつ症例数が増えてきました。院長先生をはじめ他科の先生方が地域連携を重視してご努力なさっている結果が表れてきたのだと思います。数年後にはいよいよ電子カルテが導入される見通しです。地域連携への対応しやすさという視点も大事にしながら業者の選定を進めているようです。

私も可能な限り地域のニーズに応えられるよう、努力します。今後ともよろしくお願い申し上げます。