近況報告廣橋 美穂

2012年5月、主人のカナダ・トロントでの研究留学に伴い、高知大学医学部麻酔科学・集中治療医学講座を退職し、約2年間に渡る海外生活後、出産および子育てに専念しておりました。約3年間休職しておりましたが、本年7月より、同麻酔科学・集中治療医学講座に復帰させていただきました。

復帰前は、仕事をするのが3年ぶりであり、育児をしながら、仕事と家庭の両立ができるのか、不安しかありませんでした。横山教授をはじめ、医局員の皆様に色々とご相談させていただき、日々、ご支援いただきながら、なんとかパートタイムで職場復帰することができました。皆様には深く御礼申し上げます。子供の風邪等で早退やお休みをいただくこともあり、ご迷惑をおかけしてばかりで心苦しいことも多いですが、大変温かく迎え入れていただき、復帰できたことに心より感謝しております。

3年ぶりに麻酔をかける際は恐怖感が強く、とても緊張しました。研修医の時に初めて患者さんに麻酔をかけた際の気持ちを思い出しました。しかし、休職していたからこそ気が付くこともたくさんあり、麻酔の面白さ、奥深さを改めて感じています。休職中に新薬や新しいデバイスも発売され、医療の進歩を感じ、戸惑いもありますが、新たに学ぶことが多く、とても新鮮です。3年間の休職の影響はとても大きく、なかなかブランクを埋めるには時間がかかりそうですが、自分のペースを守りながら少しずつ勉強させていただければと考えております。休職中の勉強不足の影響もあり、大変なことは事実ですが、復帰前と比較すると、日々の生活に充実感が増したように思います。恵まれた環境下で仕事できることを大変嬉しく思います。

また、休職していた3年間は様々な経験を積み重ねることができました。海外での生活は、思った以上に大変なこともたくさんありましたが、人生観や物事への考え方が変わりました。また、出産の際に、初めて患者の立場となり、帝王切開および麻酔を経験し、周術期医療について、改めて考えさせられることがありました。そして、母親となり、物事の優先順位が一変し、今までとは全く違った視点で考え、行動するようになりました。このような長期休職してまで得た貴重な経験を今後の人生に生かしていければと考えております。

色々と至らぬところもあるかとは思いますが、より一層の精進を続けていきたいと思いますので、同門の皆様、今後ともご指導ご鞭撻のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。