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新・同門会会長として「The Times They Are A-Changin’ ~時代は変わる~」

高知大学医学部麻酔科学・集中治療医学講座 教授
横山 正尚

高知大学医学部に赴任して7年目となり、麻酔科教室同門会も今年で7回目を迎えることができましたことをまずは喜びたいと存じます。初代同門会長として2期6年間をつとめて頂いた西山謹吾先生の後任として、今回から会長を務める者として簡単にご挨拶をさせて頂きます。

この7年足らずで大学の教室機能は確実に成長してきました。臨床においては手術件数の大幅な増加に対応できる体制を構築し、新病棟では12床のICUを24時間体制で管理し、救急部門の立ち上げにも大きく貢献し、収益だけでなく、安全面でも病院から大きな評価を得られるようになりました。外来部門も週3回の疼痛外来を開く事が可能になり、他部門との協力で集約的な痛み治療への道も開けてきました。教育面では学生の臨床実習を大きく改善し、その姿勢は学生からも非常に高い評価を得ています。研修医教育の面でも最優秀指導医部門を獲得するなど、若い世代の教育は確実に実を結んできています。さらに、ともすればなおざりにされる研究部門でも確実に成果を上げています。麻酔科学会を始め、多くの学会で最優秀賞を獲得することが毎年続き、英文論文もコンスタントに発表できるようになりました。また、科研費など競争的研究資金獲得は一期に増加し、それとともに大学院生も増え研究体制も整ってきました。麻酔科に所属する先端医療学コースの学生の活躍は目を見張るものがあり、その指導体制は大学内外から大きく注目されています。

大学の教室員も徐々に増加し、若い世代が活躍できる時代となりました。女性の時代とも言われています。うれしい事に教室員に次々とおめでたが続き、その女性達が順次、仕事に復帰してきています。半数を占める女性の職場復帰を最大限に生かせる教室としても新生麻酔科はアピールできるようになりました。まだまだ教室員を増やす必要はありますが、同門会の皆様の施設の支援に徐々に貢献できる体制の構築も進んでいます。

その様な教室員の活躍のおかげで、来年は大会長として高知の地で日本臨床麻酔学会を開催する栄誉を得ることができました。参加者は3500名程と予想され、高知で開催された過去のいかなる医学関連学会と比較しても、最大規模の学会となります。国内最大級の学会開催は、教室そして同門会の発展に大きく貢献するイベントと位置づけています。国内外からの招聘講師や著明な研究者との交流は今後の教室の大きな財産となります。留学への発展、共同研究の開始、そして何より高知大学医学部麻酔科の国内外に向けてのアピールとなります。この学会の成功に向けて皆さまのさらなる御支援をお願いする次第です。

さて、その学会時のテーマを、この寄稿のタイトルである「Times They Are A-Changin’ 〜時代は変わる〜」に致しました。私より少し古い年代で音楽、あるいは政治に関心のあった方なら、すぐにピンと来るボブ・ディランの名盤のタイトルです。この曲が出た1960年代とは時代は大きく違いますが、それでも今の時代は大きく変わろうとしている、変わらなければならない宿命を背負っています。舵取りを間違えば、人類はあと戻りのできない暗黒の時代に迷い込みます。宗教戦争、再びの冷戦構造、広がり続ける貧富の格差、エネルギー問題、生命倫理の崩壊、そして国内での様々な問題、とりわけコントロールできない原発事故、経済の衰退、アジア地区の不安定情勢、そして、そして今そこにある超高齢化社会を迎える事に対する覚悟と準備の不足・・。

その中で、何をなし得るか、何をなすべきか、そこに全てがかかります。

今まさに医学が、社会が、そして人類が迎えた「変革期」との認識があります。幸いなことに、周囲には迷惑かもしれませんが、肉体的な老いを精神的な若さがまだまだ勝っています。リーダー不在と言われる時代、もうしばらく大口をたたきながら、若い人達とともに、この時代を変えていきたいと思っています。新しい時代を迎えるには、新しい力が必要です。今後も教室員一丸となって、この時代に新風を吹き込んで欲しいと老兵は願っています。

2015年9月27日

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