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教室報

教室の現況報告

麻酔科学・集中治療医学講座 医局長 青山 文

医局長の青山 文です。同門の皆様におかれましては、平素より多くのご指導ご鞭撻を賜り、この場を借りて改めて感謝申し上げます。

本年度は、嬉しいことに8名の新入局員を迎え、医局員一同新たな息吹を感じながら毎日仕事に励んでおります。新入局員のうち片岡 恵利佳先生は大阪市立総合医療センターから当院と麻酔科研修プログラムを共有頂き、ご自身の研鑽と後輩教育を両立し、大阪で学んで来られたスキルを共有させて頂いております。竹﨑 めぐみ先生は高知赤十字病院、小山 毅先生は幡多けんみん病院で後期研修をスタートし、大学病院では、國則 誠宏先生、高橋 愛先生、長谷部 莉沙先生、藤吉 佑樹先生、山形 清子先生の5名が麻酔科医としての一歩を踏み出しました。今春から、特に新人教育を最優先として日々奮闘しております。硬膜外・脊椎麻酔・中心静脈穿刺のシミュレーションキットや、モーニングカンファレンスでの抄読会における学術的指導など、これまでの充実な研修体制に加え、本年度よりいくつか新しいシステムを導入しましたのでご紹介させて頂きます。

まず、サブスペシャリティー研修についてです。新入局員は麻酔以外に、サブスペシャリティー領域である集中治療・緩和・ペイン・救急を選択する事ができ、週に1回、麻酔研修と並行して学ぶ事が出来ます。例えば、高橋先生の場合、研修医の頃から興味のあった緩和を選択され、週4日麻酔研修、週1日緩和研修を緩和ケアセンター長 北岡 智子先生のご指導のもと行っています。また、救急研修は、西山 謹吾教授にご相談させて頂き、長谷部先生は週4.5日麻酔研修、半日救急研修を実施しております。これまでのシステム通り、まずは麻酔に専念したいという國則先生、藤吉先生、山形先生は麻酔を重点的に研修し、7月に入り、少しずつ集中治療業務を経験して頂いております。このように後期研修開始に当たり、サブスペシャリティーの希望を聴取し、個人個人の希望に沿ったオーダーメイド研修を開始しております。麻酔専門医取得後、それぞれの希望のサブスペシャリティー領域においても迅速に能力が開花出来るような指導・システムになればと考えております。

次に、集中治療の勉強会であるKIT-B(Kochi Intensivist Training)を、Teamsによるオンラインを利用して週1回開始しました。これは麻酔科学・集中治療医学講座として、新入局員また初期研修医に、集中治療を身近で携わりやすく、また少しでも興味を持って頂くことを目的としています。具体的には、重症患者管理マニュアル(メディカルサイエンスインターナショナル)を事前に予習して頂き、最初10分間の小テストで学んだことをoutputし、残り20分で解説をしています。現在まで10回ほど行っており、テーマはCOVID-19、VV-ECMO、輸血、低体温、産科出血、高Na血症など当科ICUに入室した患者さまの病態からテーマを決定しています。KIT-B開催に当たっては、コメンテーターとして高知赤十字病院の廣田 誠二先生、村上 翼先生にご参加頂き、幅広い角度のディスカッションとそれぞれの施設の考え方の共有が出来ていると実感しております。いつも的確なご意見本当にありがとうございます。また、勝又 祥文先生によるCOVID-19にECMO挿入時の搬送計画・注意点や、田村 貴彦先生よる留学のTIPSなど、大変充実した特別講義も加わり、参加頂いている皆様にも好評を頂いております。竹崎先生や小山先生はTeamsを利用してそれぞれ高知赤十字病院、幡多けんみん病院から、また、あき総合病院から初期研修医の先生方にオンラインでご参加頂いております。最近は、手術室・集中治療室の看護師さんもご参加頂いており、新入局員また初期研修医にとって有意義な会となるように尽力していきたいと考えております。

3つ目として、手術室の全身麻酔列を8列から9列に増枠しました。これはサブスペシャリティー研修などのシステム構築と同様に、そもそもの症例数の増加が新人教育には重要であると考えたことと、麻酔科の増員に伴い当院における手術件数増加のニーズに貢献することが可能となったためです。一方で、重症コロナ患者の受け入れに伴い、ICUが12床から8床運用となり、術後ICU入室が必要な予定手術が数件延期され、そもそも待機が可能な手術の一部は中止となりました。この間、河野 崇教授にご教授頂きました、空室枠を全科にリアルタイムで掲示し、緊急・準緊急手術および、待機患者の多いICU入室が必須でない症例を効率よく手術入力して頂くシステムを導入しました。新たな空室が出る、もしくは空室が埋まると、麻酔科から手術部へ連絡し、各科の手術入力責任者へ通知されます。このシステムが功を奏し、コロナ禍においても一定の手術・全身麻酔件数を保つことが出来ております。ICUにおいては、コロナ重症患者を含めた通常診療に加え、8床の中でいかに効率良く患者の入れ替えを行うかというベッドコントロールが重要となり、ICU担当医を増員し、協力・相談し合いながら対応しております。

最後に、人事についてです。島津 朱美先生が7月から高知赤十字病院へ移動となり、田村貴彦先生が9月、田所 司先生が10月、山形 清子先生が1月から幡多けんみん病院へ移動となります。また、山中 大樹先生が9月から、小山 毅先生が1月から大学勤務となります。阿部 秀宏先生は在宅診療に従事しつつ、週1回大学病院の麻酔を担当して頂いておりますが、9月をもって大学診療は終了となります。大学から移動・勤務終了となられる先生方は、それぞれが大変重要な役割、臨床力、指導力を有しており、医局長としてさらに身が引き締まる思いです。今後の人事に関しは、特に地域奨学金制度のため一定期間、地域医療の実施が必要となるため、効率良く、そして可能な限り医局員の希望に沿いながら采配の提案をしていく所存です。人事異動に伴い、外勤の移動も重なり同門の先生方には大変ご迷惑をお掛け致しますが、ご容赦下さいませ。

大学に復帰される先生方と共に、医局員全員で大学病院としての役割を全う出来ればと考えておりますので、同門の先生方におかれましては、引き続きご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。

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