国際学会報告
Euroanaesthesia 2012 in Paris
2012.6.9-12
飛行機を乗り継いで約13時間。6月のパリは長袖でも少し肌寒いくらいでした。
横山教授、矢田部先生、立岩先生、田村先生、濱口先生、岡崎、そしてカナダから廣橋先生も参加してくださり、総勢7人での参加となりました。
凱旋門近くの会場は非常に広く、機器展示だけでもかなりの広さがありました。発表の合間には機器展示を見て回ったり実際に参加してみたりして、生きた英会話の練習にもなりました。母国語が英語以外の人が多い学会のためか、私の拙い英語力でも大まかな理解は可能でした。
参加者の名札を見ていると、ヨーロッパ各地から参加者が集まっており、地元フランスをはじめイタリア、スペイン、ポーランド、オーストリア、ドイツ、スイス、フィンランドといった地名を見かけました。その他にもロシア、韓国、アメリカ、イギリス、アラブ諸国、日本など世界各地から参加者が集まっていて、世界にこれだけの麻酔医がいることが不思議な感じがしました。
学会発表は3人ともポスターで、トップバッターは田村先生でした。硬膜外カテーテル留置の確認方法についての発表でした。私は海外学会への参加は初めてでしたが、日本の学会の雰囲気とはずいぶん違っていて驚きました。日本の学会では議長と発表者、もしくは質問者という狭い範囲での質疑応答ですが、ESAでは議長を含めそのセッションの発表者や関係者全員が議論しながら進んでいきました。田村先生のセッションでは議長の先生がとても親しみやすい感じがあり議論も弾みました。
翌日には食道癌術後の早期栄養について濱口先生が、帝王切開時の輸液管理について立岩先生が発表しました。2人とも初めての英語での発表ということでしたが、とても堂々としていて、いずれ自分が発表するときには頑張らないといけないなと感じました。その日は前日と比較して議長の先生の突っ込みはやや厳しく、議長の先生によって場の雰囲気が変わるのは日本と同じなんだなと妙に納得してしまいました。
色々な発表を聞くのは勉強になることも多かったのですが、1つのセッションでの発表数が多く、一時間半近く立ちっぱなしで必死に英語を聞き取るのはなかなか疲れました。
その他にも今回は日本の学会と同様にランチョンセミナーに参加するこという貴重な体験もできました。
パリでは日が沈むのが遅く夜9時ごろが夕方といった感じでした。その長い1日を利用して観光もできました。凱旋門やエッフェル塔、サクレール寺院にも行くことができましたが、そのいずれの場所も200段以上の階段を自力で昇らなければならず、最上階に辿り着いた時には息も絶え絶えでした。幸いにも天気に恵まれ綺麗な景色を堪能することができましたが、昇った階段は降りなければならないわけで、個人的には1か月分の体力を消費したような気分でした。セーヌ川の船上では修学旅行に来ていた和歌山の女子高生と出会ったり、地元フランスの小学生らしき集団と異文化交流をしたり、ある場所の回転扉に濱口先生が挟まったりと、勉強以外にもたくさんの思い出ができました。
初めは、英語に自信がないこともあって海外学会を敬遠していましたが、いざ行ってみると日本とは違った考え方や環境に学ぶことが多く、英語もどうにかなると分かると意外と苦痛ではなくなりました。若い時期にこうした機会を与えていただけたことに感謝すると同時に、次に海外学会に参加する時はおそらく自分の発表の時だと思うと気が引きしまる思いです。
ちなみに、帰国して最初に食べたのが、たこ焼きとお好み焼きでした。
また海外ではサラダといえども生ものは控えようというのが今回得た教訓の1つとなりました。
(麻酔科 岡崎想)