高知大学 医学部 外科学講座 外科1
平成19年1月
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2007年の年頭に当たりご挨拶させていただきます。
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本年も教室の大目標は優れた若い外科医(Academic Surgeon)の育成です。
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それに関連した以下の3つの目標を達成するための具体的内容を挙げます。
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2)良好な手術成績の達成:良好な手術成績は良好な人間関係から
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3)高知発の優れた研究を世界へ発信:研究は英語論文で完結
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はじめに研修医の教育ですが、できるだけ若い時期から執刀医として手術を経験
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させることと英語で論文を書く訓練を行うことを継続していきたいと考えています。
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手術指導に関しては既に実践しているパーツ式教育法を更に推進し、英語論文に
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関しては小生が作成した若い外科医向けの「英語論文の書き方」という小冊子を配
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布して学術活動に対する教室員の意識改革を促します。
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2番目に日常診療および臨床研究に関してですが、従来から積極的に取り組んで
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おります食道癌・胃癌・大腸癌を中心とした腹腔鏡下手術数の増加を目指すととも
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に、昨年8月より開始された人工膵臓の臨床研究をより発展させていく方針です。ま
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た近年増加しております血管合併切除を伴う胆道癌・膵臓癌に対する根治手術お
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よび進行肝癌に対する門脈塞栓術後の拡大肝切除術の増加も目指していきます。
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手術件数に関しては食道癌手術が年間 20-30 例以上を目標にやっていただけれ
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ばと希望します。他の消化器疾患および乳腺内分泌疾患は手術件数も順調に伸
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びてきておりますので、近い将来国内でも有数の手術件数を誇る施設になるものと
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新しい研究テーマとして手術成績の向上を目指した肝臓癌・胆道癌・膵臓癌に対す
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る分子生物学的アプローチからの研究および高知県の地域性を考慮した高齢者
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に対する安全な手術手技・周術期管理の工夫に関する研究も推進していきます。
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3番目に医学教育ですが、昨今の外科離れに歯止めをかけるためにも学生に外科
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への興味を持っていただくための教育をより徹底させていく方針です。若者の感覚
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やニーズに合わせた Lecture、特に手術ビデオなどを駆使した Visual lecture を充
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実させていきます。母校愛を育む教育を目指し、個人的には平素より学生との積
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極的な交流を心がけていますので、学生の皆さんには気軽に教授室を訪れて欲し
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最後にオープンで明るい教室作りを常に念頭におきながら、組織を私物化するこ
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となく、自分を律してより高いレベルの組織に押し上げることを公約し、粉骨砕身頑
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張る覚悟です。本年も 「Activity and Speed」 を重視し、「一刀入魂」 の精神で手術
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を行います。引き続きまして皆様からの温かいご支援・ご協力を賜りますよう何卒
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高知大学 医学部 外科学講座外科1 教授 花崎和弘
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