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はじめに、2017年が教室員および同門会員の皆様だけでなく、日本および世界中
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の人々にとっても素晴らしい年になることを願っています。
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昨年9月に国際学会の発表と出席を兼ねてワルシャワに渡航した。その際、驚愕
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の事実に遭遇した。ワルシャワの旧市街地という数qの圏内に、ピアノの詩人とい
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われるショパン、地動説を唱えたコペルニクス、ノーベル賞(物理学賞と化学賞)を
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2回も受賞したキュリー夫人という世界の偉人の生家があることだった。なぜこん
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なに小さなareaに世紀を超えた偉人が3人も生まれたのか?大変興味を持った。
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県外の人から「高知県は人口が少ないのに、沢山の偉人を生んでいますね」と称
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賛される。高知は坂本龍馬を筆頭に、岩崎弥太郎やジョン万次郎など日本の発展
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に多大な貢献をした優れた人物を数多く輩出している。
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神様のいたずらで、そうした運命をワルシャワや高知に与えてくださったのかもし
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ワルシャワと高知が沢山の偉人を生み出す共通点は何か?妄想は膨らむばかり
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だ。気候や風土や人々の気質は、むしろ対照的に映る。共通点は、交通の便が
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悪く、大都市からは遠く、独自の文化や古いしきたりが、いまだに残されていること
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か。たしかにワルシャワや高知は、歴史や自然に恵まれている。しかし、同様な地
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高知の男性には甚だ失礼な仮説だが、高知の男性が世に出た大きな理由の一つ
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は、男性が良く頑張ったというよりは、“はちきん”と呼称される高知の女性が男性
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をしっかり教育して育て上げた賜物ではないだろうか?もしそうだとしたらワルシャ
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ワもキュリー夫人に代表されるような、賢明かつ働き者で元気な“はちきん”が多い
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11年前に教授職を得て高知に参って以来、高知という地名に相応しい、高い知識
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と学識を有する外科医を一人でも多く育成したいと願い、「すべての研究は英語論
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文で完結」を教室の目標としてきた。幸い、高知大学では最多の英語論文をpublish
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できる教室に発展した。日本人にはハードルが高い、大変なタスクだが、大学が生
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き残るための最良の道は、「大学力」として最も評価の高い英語論文をpublishして
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今年も“はちきん”たちの力を借りながら、将来日本の外科医療を担う有能な外科
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医の育成に邁進したい。その結果、少しでも高知県に恩返しができたら望外の喜
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