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ロボット支援手術 「手術ロボット“ダビンチ”」

 当院では医療用ロボット機器「ダビンチ」を用いて、日々、多数の手術を行っています。
「ダビンチ」は、ペイシェントカート(ロボット部)、サージョンコンソール(執刀医の操作台)、ビジョンカート(助手用のモニター)から構成される手術システムです。


 ロボット部には先端に鉗子やメスなどを取り付ける3本のアームと内視鏡が装着されており、手術を行う執刀医はケーブルでつながった操作台に座り、遠隔操作でロボットアームの先端の鉗子を動かして切除や縫合などの手術を行います。



 ロボット部には先端に鉗子やメスなどを取り付ける3本のアームと内視鏡が装着されており、手術を行う執刀医はケーブルでつながった操作台に座り、遠隔操作でロボットアームの先端の鉗子を動かして切除や縫合などの手術を行います。

現 状

 世界においても最先端の医療技術とされる手術ロボット「ダビンチ」は、欧米を中心に導入され、現在、日本国内でも多数の施設で実施されています。
泌尿器科領域では前立腺癌に対する手術から導入され、現在は腎癌、膀胱癌などの悪性疾患、さらには副腎腫瘍、腎盂尿管移行部狭窄症、骨盤臓器脱などの良性疾患に対しても保険適応として認められ、ロボット手術は増加の一途をたどっています。
高知大学医学部附属病院では、2012年9月、「ダビンチS (米国インテュイティブ・サージカル社製)」が医療用ロボットとして初めて導入されました。続いて2017年7月には第4世代の機器である「ダビンチXi」が導入されました。さらに、2022年12月にはロボット手術件数の増加に対応するため、2台目の「ダビンチXi」が追加導入されました。これにより、2つのロボット手術を同時進行で行うことが可能となり、より多くのロボット手術を実施できるようになりました。
2012年10月29日から前立腺癌に対するロボット支援手術を開始し、これまでに1000例以上のロボット手術を行っています。


施行可能なロボット支援手術(泌尿器科手術、2023年6月現在)

  • ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術

  • ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術

  • ロボット支援腹腔鏡下腎全摘除術

  • ロボット支援腹腔鏡下腎尿管摘除術

  • ロボット支援腹腔鏡下副腎摘除術

  • ロボット支援腹腔鏡下膀胱全摘除術

  • ロボット支援腹腔鏡下腎盂形成術

  • ロボット支援腹腔鏡下仙骨膣固定術

長 所

  • 「ダビンチ」の長所は、小さな孔(あな)からカメラや鉗子を挿入し手術を実施するために、開放手術と比べて明らかに傷が小さくて済みます。

  • さらに、腹腔鏡下手術と比べて、拡大視野で、3次元の立体的な、デジタルハイビジョンによる鮮明な映像、緻密な手術操作により、出血量が少ない低侵襲な手術が実施できます。合併症のリスクも少なく術後の回復が早く、ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術では術後7日目に退院と、入院期間が短く早期の社会復帰が可能です。

  • ロボット手術では手術中にお腹の中で超音波(エコー)検査を行うことができます。執刀医がお腹の中に挿入されたプローベという器具をダビンチを介して操作することで、エコー画像を手術視野と同時に確認しながら、病変(腫瘍)の場所を正確に同定することが可能となっています。

 また、手術中に「インドシアニングリーン(ICG)」というお薬を血管内に投与し、ダビンチXiに搭載されている「ファイアーフライ蛍光システム」を用いることで、通常は見えない(どこにあるかわからない)血管(血流)を可視化することも可能です。それによって正確かつ安全な手術が可能となっています。このような技術によって、腹腔鏡手術以上に精度の高い手術が可能となっており、より確実かつ安全な外科治療を患者さんに提供できるようになっています。

安全性

  • 手術ロボット「ダビンチ」を用いた手術とは、ロボットが手術を行なうのではなく、医師がロボットを活用し、より精度の高い手術を行うものです。

  • 「ダビンチ」は操作性および機能性に優れており、開放手術や腹腔鏡下手術と比較して、短い期間で手術の技能を習得することができ、そのため常に一定の高い水準の手術を提供することができます。また、医師は術者としての特別な認定資格を取得し、訓練を積んだ後に手術を行う執刀医となります。

  • さらに当院では独自の基準を設けており、その基準を満たした者のみが手術を行います。トレーニング シミュレーターを用いて、技術を高めていく訓練も日々重ねています。

  • 「ダビンチ」は、機械の異常をシステム側で確認し、手術前にトラブルを回避できるようになっています。事実、「ダビンチ」のシステムエラーは世界中でわずか0.2~0.4%と極めて低いもので、当院でもこれまで事故はありません。さらに医師をはじめ手術に携わるスタッフは、緊急時を想定した訓練を積み、安全管理の徹底が図られています。

 我々高知大学医学部泌尿器科では、「オンラインによる教育システムの受講」、「動物ラボトレーニング」、「公認施設での症例見学」、「自施設でのシステムトレーニング」などの日本泌尿器科学会および日本泌尿器科内視鏡学会が制定した教育プログラムを受け、認定資格を取得した上で、実施し、これまでに8名がロボット支援手術の技術認定医を、2名が指導医を取得しています。

費 用

  • 手術ロボット「ダビンチ」を用いた手術は、健康保険の適用の下で実施されています。さらに、高額療養費制度も適用されますので、実際に手術を受けられる患者さんが負担する費用は常識的な金額になります。

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