高知大学医学部泌尿器科学教室

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von Hippel-Lindau(VHL)病 重症度分類 (Ver. 2.0)

1.中枢神経系血管芽腫

神経症状
N0 中枢神経系血管芽腫を画像上認めない。
N1 中枢神経系血管芽腫を画像上認めるが神経症状なし。
N2 軽度の神経症状を認めるが、日常・社会生活に問題なし。
N3 神経症状を認め、日常・社会生活に問題あるが軽度。
N4 神経症状を認め、日常・社会生活に支障が大きい。

2.網膜血管腫

0 網膜血管腫を認めない。
1 網膜血管腫を認めるが、(網膜滲出性病変がないため)治療の必要がなく、日常・社会生活に問題なし。(視力低下なし)
2 網膜血管腫を認め、(網膜滲出性病変に対する)治療によく反応して、日常・社会生活に問題なし。(視力低下なし)
3 網膜血管腫を認め、(網膜滲出性病変への)治療に対する反応が不充分で、日常・社会生活に軽度の問題あり。(視力低下あり)
4 網膜血管腫を認め、(網膜滲出性病変に対する)治療が困難で、日常・社会生活に支障が大きい。(視力低下が著しい)

3.腎腫瘍

R0 腎腫瘍を認めない。
R1 腎腫瘍を認めるが、即座の治療の必要がなく、日常・社会生活に問題なし。(腎機能障害なし)
R2 腎腫瘍を認め、即座の治療が必要である。日常・社会生活に問題なし。(腎機能障害なし)
R3 腎腫瘍を認め、即座の治療が必要である。日常・社会生活に問題があるが軽度。(腎機能障害軽度)
R4 腎腫瘍を認め、即座の治療が必要である。日常・社会生活に支障が大きい。(腎機能障害高度)

注)治療後で腫瘍はないが、腎機能障害がある場合もeGFRの基準に準じる。
腎機能正常とはeGFRが60ml/min以上の例とする。
腎機能障害軽度とはeGFRが30-60ml/min以上の例とする。
腎機能障害高度とはeGFRが30ml/min未満の例とする。

4.褐色細胞腫

Ph0 画像および内分泌生化学検査上、褐色細胞腫を認めない。
Ph1 褐色細胞腫を画像上認めるが、内分泌症状なし。
Ph2 内分泌症状(1)を認めるが薬物コントロール(2)が良好で、日常・社会生活に問題なし。
Ph3 内分泌症状(1)を認め、薬物コントロール(2)が不十分で、日常・社会生活に軽度の問題あり。 (カルノフスキーPS 90-70)
Ph4 内分泌症状(1)を認め、薬物コントロール(2)が困難で、日常・社会生活に支障が大きい。(カルノフスキーPS 60以下)
  1. 内分泌症状とは、褐色細胞腫からのカテコラミン過剰分泌状態、あるいは手術後で副腎皮質ホルモンの低下あるいは不全状態を含む。
  2. 薬物コントロールとは、カテコラミン過剰分泌時の降圧剤(αβ遮断薬など)、あるいは副腎機能低下時の皮質ホルモン補充を含む。

5.膵神経内分泌腫瘍

PNET 0 膵神経内分泌腫瘍を認めない。
PNET 1 膵神経内分泌腫瘍を認めるが経過観察で良く、日常・社会生活に支障なし。
PNET 2 膵神経内分泌腫瘍を認め、治療が必要であるが、日常・社会生活に支障なし。
PNET 3 膵神経内分泌腫瘍を認め、治療が必要である。日常・社会生活に軽度の支障あり。
PNET 4 膵神経内分泌腫瘍を認め、治療が必要である。日常・社会生活に支障が大きい。

6.膵のう胞

PC0 膵嚢胞を認めない。
PC1 膵嚢胞を認めるも症状なし。日常・社会生活に支障なし。
PC2 膵嚢胞により症状を認めるが、治療の必要がなく、日常・社会生活に支障は軽度である。
PC3 膵嚢胞により腹痛などの症状や膵内外分泌機能低下を認め、治療が必要である。日常・社会生活に支障は軽度である。
PC4 膵嚢胞により腹痛などの症状や膵内外分泌機能低下を認め、治療が必要である。日常・社会生活に支障が大きい。

チェックリスト  平成   患者ID:

中枢神経系
血管芽腫
膜血管腫 腎腫瘍 褐色細胞腫 膵神経
内分泌腫瘍
膵のう胞
0
1
2
3
4

(参考資料)

カルノフスキー(Karnofsky)指標

PS指標 意味
100% 正常、臨床症状なし。
90% 軽い臨床症状あるが、正常の活動可能。
80% かなり臨床症状あるが、努力して正常の活動可能。
70% 自分自身の世話はできるが、正常の活動・労働することは不可能。
60% 自分に必要なことはできるが、ときどき介助が必要。
50% 病状を考慮した看護および定期的な医療行為が必要。
40% 動けず、適切な医療および看護が必要。
30% 全く動けず、入院が必要だが死はさしせまっていない。
20% 非常に重症、入院が必要で精力的な治療が必要。
10% 死期が切迫している。
0% 死。
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