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泌尿器科では腎臓、膀胱、前立腺など尿路性器の病気に対して専門的な診療を行っています。
前立腺癌、腎癌、尿路上皮癌(膀胱癌、腎盂癌、尿管癌)、精巣腫瘍などの悪性腫瘍、前立腺肥大症、神経因性膀胱、尿失禁、尿路結石、尿路感染症(腎盂炎、膀胱炎、前立腺炎)など
毎週月曜日と木曜日が手術日で、年間200件前後の手術が行われています。腹腔鏡手術や前立腺癌の組織内照射など低侵襲治療を積極的に行っています。病棟では、卒後10年の臨床経験をもつ指導医の下、卒後3~5年の医師が各3チームをつくり治療にあたります。
我々の医療への基本姿勢は、患者さんと同じ気持ちでお話しし、病気のすべての情報を明らかにしながら患者さんの同意と納得のもとに行う医療です。
泌尿器疾患全てに対応できます。特に一人一人の患者さんを丁寧に診療する体制をとっています。
尿路性器腫瘍をはじめ、排尿機能障害などの診察のために、一日約100名の患者さんが来科されます。
時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
午前 | (手術日) | 執印 太郎(病院長) 井上 啓史(教授) 辛島 尚(准教授) 田村 賢司(講師) 大河内 寿夫(助教) 久野 貴平(特任助教) 山﨑 一郎(非常勤) |
辛島 尚(准教授) 蘆田 真吾(病院准教授) 深田 聡(学内講師) 福原 秀雄(助教) 久野 貴平(特任助教) 葺石 陽亮(助教・透析部) |
(手術日) | 井上 啓史(教授) 齊藤 源顕(薬理学教授) 蘆田 真吾(病院准教授) 深田 聡(学内講師) 福原 秀雄(助教) 久野 貴平(特任助教) 波越 朋也(助教) |
午後 | (手術日) | 執印 太郎(病院長) 辛島 尚(准教授) 田村 賢司(講師) 大河内 寿夫(助教) 久野 貴平(特任助教) 山﨑 一郎(非常勤) |
辛島 尚(准教授) 蘆田 真吾(病院准教授) 深田 聡(学内講師) 福原 秀雄(助教) 久野 貴平(特任助教) 葺石 陽亮(助教・透析部) |
(手術日) | 齊藤 源顕(薬理学教授) 澤田 耕治(臨床教授:第1週のみ) 蘆田 真吾(病院准教授) 深田 聡(学内講師) 福原 秀雄(助教) 久野 貴平(特任助教:第2・4週は午前のみ) 波越 朋也(助教) |
月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
腫瘍外来 排尿機能障害外来 |
腫瘍外来 遺伝相談外来 |
腫瘍外来 排尿機能障害外来 小児泌尿器科外来(第1週のみ) |
「ダビンチ」は、ペイシェントカート(ロボット部)、サージョンコンソール(執刀医の操作台)、ビジョンカート(助手用のモニター)から構成される手術システムです。ロボット部には先端に鉗子やメスなどを取り付ける3本のアームと内視鏡が装着されており、手術を行う執刀医はケーブルでつながった操作台に座り、遠隔操作でロボットアームの先端の鉗子を動かして切除や縫合などの手術を行います。自由に近接できる10倍の拡大視野で、3次元の立体的で遠近感のある、デジタルハイビジョンによる鮮明な映像で、体内を見ることができるので、安全かつストレスのない手術が可能です。さらに、自由度が高く、広い可動域を示す多関節機能を有する鉗子や、手振れ防止機能なども装備されており、まさに人間の手以上の精密かつ自然な手術操作が可能です。
第二病棟を中心に、手術療法、化学療法・薬物療法、放射線療法などを受けられる患者さんが入院されています。
前立腺癌の腫瘍マーカーであるPSAが高い時や、直腸診や超音波検査で異常所見が認められた時に行われる検査で、前立腺癌の診断を確定するためのものです。 超音波のプローブを肛門から入れ、前立腺を超音波で見ながら約12本針を刺して前立腺の組織を採ってきます。2通りの方法があり、直腸を介するものと会陰部(肛門と陰嚢の間の部分)を介するものがあります。後者は、半身麻酔で行うため痛みは感じません。前者は表面麻酔のみですが通常それほど強い痛みは感じません。検査時間は約30分程度です。入院は3日ほど必要で検査結果は外来で説明します。 この検査は広く一般に行われており、当院においても安全に行われております。
膀胱癌の診断を確定し、癌の悪さや進行の程度を調べる重要な検査です。 通常、半身麻酔下で行います。膀胱鏡で膀胱内を観察し腫瘍の部分、正常と思われる部分の一部をつまんで採ってきます。検査時間は約1時間程度です。検査の結果で今後の治療方針が決まります。
明らかに転移がない前立腺癌に対する治療法のひとつに、放射線療法があります。これには2通りの方法があります。
1.I-125(ヨード125)シード線源永久留置法による密封小線源療法 :I-125シード線源永久留置法は前立腺癌に対する放射線治療として、日本で昨年より新たに開始された治療法です。当院でも2004年8月に治療の認可がおり、I-125シード線源の永久留置法による密封小線源前立腺癌治療を開始しています。治療は半身麻酔で行います。尿道に排尿のための管が入り、翌日まで留置されます。台に横たわっていただき、下肢を挙上したかっこうで治療を行います。肛門からエコーのプローブが入り、エコーの画像を見ながら、会陰部から前立腺内にアプリケーター針と呼ばれる長い針が20本程刺入されます。コンピューターで計算された通りに、それぞれの針の中に数個ずつシード線源が挿入されていきます。症例により異なりますが、全部で80~100個程のシード線源が留置されることになります。体への負担が少なく、入院期間は通常6日です。
2.
高線量率組織内照射療法:わが国では、1994年1月より、前立腺癌患者さんに対して前立腺組織内照射および外照射併用療法が開始され、また本院においても、1999年6月より、わが国6番目の施設として本療法を開始しています。まず、入院していただき、手術室で麻酔をかけた後、アプリケーターとよばれる針を20-30本程度、会陰部より刺します。その後、針は刺したままで、当日に2回、内照射を行います。
腹部に1cm程度の小さな穿刺創を3-4カ所おき、炭酸ガスを腹腔内に注入し、穿刺創から内視鏡を挿入して手術を行う方法です。本術式には高度の手術技術が要求されますが、従来のお腹を切る開放手術に比べて、手術創が小さいことから術後の回復が早く、術後の痛みが極めて少なく、短期間のうちに入院治療を終えることができることがこの手術の長所です。日本では1990年頃から主に外科領域にて胆嚢結石に対して行われていましたが、最近では泌尿器科領域でも盛んに行われるようになり、副腎腫瘍に対する副腎摘除術、腎腫瘍を含む種々の腎疾患に対する腎摘除術などはよい適応といえます。
重い物を持ち上げたり、くしゃみや咳をした時などお腹に力が入ったときに尿がもれてしまう症状を腹圧性尿失禁といい、出産や骨盤内の手術、加齢変化などが原因となって膀胱や尿道を支える骨盤底の筋肉の力が弱くなっているために生じる症状と考えられます。治療法はこれらの骨盤底筋群を刺激する体操や薬物療法などの保存的療法がありますが、これらで充分な効果が得られない場合に手術療法があり、その中でも近年、TVT (tension free vaginal tape) というポリエチレンでできたテープを用いた尿失禁根治術がよく行われ、その有効性が示されています。TVTとは無張力で膣壁を支持するテープの意味で、中部尿道を膣壁側より支持することにより、腹圧上昇時の尿失禁を防ぐものです。特徴として短時間(約1時間)の手術が可能で、約1cmの傷が腹部に2ヶ所、膣1ヶ所だけで、局所麻酔と鎮痛剤での実施が可能など体への侵襲が低いことが上げられます。また過度の矯正を防止できる為に術後に排尿障害の発生が少なく、術後短期間での退院が可能です。効果に関しても高い有効率と効果の持続が期待できます。(本手術の症例の多い北欧での調査では手術を受けた方の97%が術後の状態に満足しています。)