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コラム -医療情報提供-

小児期の身体活動~健やかな発達に向けて~

1.小児期の身体活動量の現状
身体活動量は歩数で示されることが多く、日本における小児期の1日の歩数は、約20年前に比べて5割程度に減少している。身体活動量が低下する原因は、社会環境や生活様式の変化にあり、遊ぶ場所や時間が減少し、交通事故や犯罪への懸念などが遊ぶ機会の減少を招いている。小児期における身体活動量の低下は、肥満を増加させる主な原因となっている。肥満は、生活習慣病の要因となり、これらは動脈硬化を促進し、将来的に脳卒中や心筋梗塞を起こすリスクを高める。そのため、小児期から身体活動量を増加させることが重要である。
2.身体活動量を増加するポイント
身体活動量を増加するためには、特に小児期の中でも幼児期から運動を行うことが重要である。なぜなら、幼児期は神経機能の発達が著しく、運動を調整する能力が顕著に向上する時期であるためである。この能力は、多くの運動の基となり、その後の運動やスポーツに親しむ資質や能力を育成する。遊びを質的に変化させることは、豊かな創造力も育むことにもつながる。そして、生涯にわたる健康的で活動的な生活習慣の形成にも役立つ可能性が高い。さらに、遊びから得られる成功体験によって育まれる意欲や有能感は、何事にも意欲的に取り組む態度を養う。加えて、ルールを守り、協調する社会性を養うことができる。
3.身体活動量を増加させるための運動方法
身体活動量を増加させるためには、習慣化してこそ効果が生じる。習慣化させるために、子ども達自身が喜びを持って、取り組めるように工夫する必要がある。つまり、子ども達が楽しく、達成感をもつことのできる「遊び」をメインとすることが重要である。実際に身体活動量を増やす運動としては、多様な動きを含んだ方法が有効である。多様な動きの1つは、「体のバランスをとる動き」である。例えば、ブランコ・鉄棒などの固定遊具や、巧技台やマットなどの遊具の活用を通して行われる。2つは、「体を移動する動き」である。例えば、遊具の活用や鬼ごっこを通して行われる。3つは、「身体全体でリズムをとり、用具などを操作する動き」である。例えば、なわ跳びやボール遊びなどを通して行われる。運動時間としては、文部科学省は実現可能な幼児期の運動指針として、毎日60分以上楽しく体を動かすことを推奨している。


◎ 著者プロフィール
氏名:高橋 みなみ(タカハシ ミナミ)
所属:高知大学医学部附属病院 リハビリテーション部
役職:理学療法士 

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