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コラム -医療情報提供-

前立腺癌の新しい治療
(ロボット支援手術、放射線内照射療法<ブラキーセラピー>)

 前立腺癌は、年々増加しており、その罹患数は、2017年のがん統計予測では86,100人と推定されています。しかしながら、死亡数は、近年横ばいです。これは、PSA検診による早期発見に加え、治療法の発展が大きく寄与していると考えられます。近年、その治療法は、よりからだにやさしいものになっており、今日は、その中で、ロボット支援手術と放射線内照射療法についてお話します。
(1)ロボット支援手術
 ロボット支援手術とは、術者が直接患者さんに触れることなく、ロボットを操作して行う手術です。現在、日本では、ダビンチという手術支援ロボットが臨床で使用されています。このダビンチは、「ペイシェントカート」と呼ばれるロボット部、「サージョンコンソール」と呼ばれる執刀医の操作台、「ビジョンカート」と呼ばれる助手用のモニターから構成されています。患者さんのお腹に約1cmの穴を6か所あけて、3本のロボットアームと1本の内視鏡を挿入します。残りの2か所の穴は、助手が使用します。術者は、操作台に座り、内視鏡画像を見ながら遠隔操作でロボットアームの先端の鉗子を動かして、手術操作を行います。 傷が小さく、合併症のリスクも少なく、術後の回復が早く、入院期間が短く、早期の社会復帰が可能です。当院では、2012年10月29日から前立腺癌に対するロボット支援手術を開始しており、また、2017年7月31日からはダビンチの最新モデルであるダビンチXiを導入し、2018年6月までに376人の患者さんに治療を行っています。
(2)放射線内照射療法<ブラキセラピー>
 放射線内照射療法<ブラキセラピー>とは、体の中から放射線をあてて、癌細胞を死滅させる治療法で、放射線を発する小線源を一時的に前立腺内に挿入して治療する「高線量率組織内照射」と、小線源を永久に前立腺内に埋め込む「永久留置」の2つの方法があります。手法は、どちらもほぼ同じで、会陰部に細い針を刺し、超音波画像で位置を確認しながら、その針を通して小線源を前立腺に挿入します。「高線量率組織内照射」では、針を刺したまま、6時間あいだをあけて2回照射を行います。「永久留置」では、小線源の入ったカプセルを約60~100個、前立腺に留置します。高知大学は、これら両方の治療を受けることができる日本で数少ない施設の1つです。
 放射線治療の副作用としては、治療直後から3~6か月ごろまでに、頻尿、排尿時痛、血尿、下痢、肛門痛、血便などがみられることがあります。また、6か月から1年以降に、直腸出血、尿道狭窄、性機能障害などを発症することがあります。ブラキセラピーは、外照射に比べて、副作用が少ないのが利点の一つでもあります。


◎ 著者プロフィール
氏名:蘆田 真吾(アシダ シンゴ)
所属:高知大学医学部附属病院 泌尿器科
役職:講師

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