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コラム -医療情報提供-

頭痛について

 頭痛になったことがないと言う人はこの世の中にいないといえるくらい頭痛はありふれた神経疾患です。でもその症状の程度は様々ですし、様子を見ていて問題のない軽微な頭痛から、起こったら直ちに救急病院に行かなければならないような重篤な頭痛までいろいろあります。今日はこのような頭痛についてお話ししたいと思います。
 代表的な頭痛は頻度の多い順に、「緊張性頭痛」、「片頭痛(偏頭痛と書くこともあります)」、「三叉神経痛」、「群発頭痛」の4種類があり、これらを中心にお話しします。
 まず「片頭痛」ですが、これは「ズキズキ」と脈打つような頭痛が頭の右半分か、左半分に起こるものです。右側か左側に片寄って起こるから「片頭痛」という名前がついています。この頭痛は脳に血液を供給している血管が一時的にギューッと収縮して、その後反動で拡張した時に発痛物質が血管から出て、血管を取り巻いている神経に作用して痛みが起こります。ですから心臓の拍動に同期して「ズキズキ」とした痛みが起きる頻度が高いのです。このように片頭痛は脳の血管が何らかの原因で刺激を受けて過剰に収縮したり拡張して発症するので、片頭痛になりやすい体質があります。片頭痛の方の病歴を良く聞くと、比較的お若い女性が多く、思春期の頃から軽い片頭痛が起こっていたり、ご兄弟やご親戚、ご両親が頭痛持ちの方が多い傾向があります。若い頃に起こっていた片頭痛が一時期軽くなり、中年になった頃からまた起こってくるという経過をとることが多いです。また、片頭痛の一部の方には最初に脳の血管がギューッと収縮した時に視野の右半分や左半分の見え方がおかしくなる人もいます。ちょうど牛乳瓶の底から外を見ているように視野がゆがんで見え、それがゆっくり回りながら広がって行き、徐々にそれが消えて数分経つと異常があった視野と反対側の頭がズキズキと痛くなります。これを専門的には「閃輝暗点(せんきあんてん)」と言いますが、歯車のようにギザギザしたものが見えることがあります。芥川龍之介の小説の中に「歯車」というタイトルの作品がありますが、これは片頭痛の前駆症状である閃輝暗点の事を詳しく描いています。


◎ 著者プロフィール
氏名:古谷 博和(フルヤ ヒロカズ)
所属:高知大学医学部附属病院 脳神経内科
役職:教授

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