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コラム -医療情報提供-

アレルギー疾患をもつお子さんに対する災害時への備え

災害が起こったとき、被災者の中でもよりつらい思いをされる可能性があるのは、なんらかの病気をもたれている方です。ここでは、アレルギー疾患の中でも食物アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎をもつお子さんに対する災害時への備えについてお話いたします。

1. 食物アレルギー
 食物アレルギーとは、原因となる食物によってアレルギー反応を起こし体に嫌なことが起きる病気です。時には命に関わることのある病気です。災害時には、食材を購入することが難しくなり、食べられるものがなくなる可能性があります。食べることのできる食品を1週間以上備蓄することをお勧めいたします。家屋の倒壊に備え、物置や車庫などに分けて準備しましょう。普段の生活で利用して、補充する方法をとると良いでしょう。また、緊急時のお薬もすぐ持ち出せるように保管しましょう。また、適切に対応するための緊急時対応マニュアルやお子さんの食物アレルギーが他人にすぐにわかる表示カードなども用意しておきましょう。

2. 気管支喘息
 気管支喘息は、胸がぜーぜーして息が苦しくなる病気です。普段から、お薬や環境整備で予防をしておきましょう。そのうえで、予防の薬と、悪化時(発作時)の薬をそれぞれ1週間分は準備しておきましょう。また、ふだん、ネブライザーで吸入している方もいると思いますが、停電や電源が簡単に使用できないことも予想されるため電源の必要のない吸入薬、または、電池式のネブライザーを所持しておくと良いと思います。ほこりの舞う環境に備えて使い捨てマスクも用意しておきましょう。

3. アトピー性皮膚炎
 アトピー性皮膚炎は、かゆみをともなう発疹が体にでる病気です。シャワーや入浴ができなくなれば、悪化することが予想されます。普段は塗っていなくてもステロイド入りの塗り薬や保湿薬を準備しておきましょう。また、タオルや石鹸とともに、ビニール袋も用意しておくと石鹸を泡立てるのに便利です。入浴ができないときにウエットティッシュや体をあらうための水を入れるペットボトルがあれば良いです。また、保冷剤や包帯があれば掻痒の対策になります。
 ここでの内容は、日本小児アレルギー学会、日本小児臨床アレルギー学会のサイトで閲覧できます。ぜひ、日頃からご準備をなされるようにお願いします。


◎ 著者プロフィール
氏名:大石 拓(オオイシ タク)
所属:高知大学医学部附属病院 小児科
役職:助教

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