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コラム -医療情報提供-

糖尿病といわれたら

 近年、日本人の糖尿病の有病者・予備群が増加しています。国内の糖尿病の有病者か予備群(糖尿病が強く疑われる者)は約1,800万人にのぼると推計されます。現在、過剰な食事摂取・運動不足などの生活習慣を主因として急増している糖尿病は2型糖尿病であり、全糖尿病患者の約9割を占めています。今回は2型糖尿病をメインにお話しします。

糖尿病とはインスリン作用不足による慢性的高血糖状態を主徴とする代謝疾患群であると定義されています。血糖値が高い状態が長年続くことで全身の動脈硬化が進展し、腎症や網膜症、神経障害などさまざまな合併症を引き起こします。糖尿病を基盤とする疾患は日本人の死因のうち多くを占めており、糖尿病の発症と合併症の進展予防が急務といわれております。

糖尿病の発症危険因子は、1)加齢 2)家族歴 3)肥満、4)運動不足 5)血糖値の上昇であり、これ以外にも高血圧や高脂血症も独立した危険因子であるとされています。変更可能な危険因子としては、肥満、食事(摂取カロリーとその内容)、運動量の不足があげられます。

食事について
日本人の1日あたりのエネルギー摂取量は減少傾向ですが、動物性脂肪摂取は増えています。また、エネルギーの配分では糖質の割合は減り、脂質・脂肪の割合は増えています。近年における食生活の変化が、日本人の糖尿病の増加に一部関与している可能性があります。ちなみに炭水化物の制限が糖尿病予防に有効であるという証拠は今のところありません。

運動療法について
まずメディカルチェックを受け運動療法の可否を確認した後に、運動量を設定しましょう。最初は歩行時間を増やすことから始めてはいかがでしょうか。有酸素運動とレジスタンス運動(いわゆる筋トレ)両方するのがおすすめです。また、有酸素運動とレジスタンス運動の併用は、それぞれの運動単独よりも効果的に糖尿病を改善させるとの報告があります。水中運動は有酸素運動およびレジスタンス運動の両方が行え膝への負担が少なく、肥満の方には安全かつ効果的です。

そして糖尿病は自覚症状に乏しい病気であるため、通院を中断してしまう方がいらっしゃいます。糖尿病のコントロールがよくなっても、自己判断で服薬や通院をやめることのないようお願いしたいと思います。糖尿病の治療目標は合併症を防ぎ、糖尿病のない方と同様の生活の質や健康寿命を保つことです。今回のお話がお役にたてれば幸いです。


◎ 著者プロフィール
氏名:近江 訓子(オオミ サトコ)
所属:高知大学医学部附属病院 内科(内分泌代謝・腎臓)
役職:特任助教

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