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コラム -医療情報提供-

発達障害の問題について

 発達障害は、生まれつき脳の一部の機能の発達が通常と異なるために、幼少時から症状が現れ、ライフステージを通して日常生活の様々な状況で支障をきたすものです。発達障害は、広汎性発達障害、注意欠如・多動性障害、学習障害、チック障害、吃音(症)、協調運動の障害など、いくつかのタイプに分類されます。広汎性発達障害は、対人関係やコミュニケーションの障害、興味や行動のかたより、こだわり、感覚過敏などの問題が3歳程度の幼少期から目立ってきます。注意欠如・多動性障害は、発達年齢に見合わない不注意や多動ー衝動性といった症状が、小学生の頃までに現れ、社会的な活動や学習に支障をきたすものです。学習障害は、基本的には全般的な知的発達には問題ないのに、読み書きや計算など特定の能力の学習に著しい困難が生じている状態で、小学生の頃に症状が明らかになります。いずれの発達障害も重症度は様々で、いくつかの発達障害が併存したり、身体疾患や精神疾患を伴うこともあります。同じ診断名を持つ場合でも、発達の状況や年齢、環境などにより、状態像は多様で個人差がとても大きく、そのため、特性に応じた個別の支援の必要性が提唱されています。
 支援の方法としては、個々の患者さんやご家族のニーズに応じて、療育や心理学的支援、環境調整を含む社会的な支援など様々なアプローチを組み合わせてサポートします。家族の支援も重要で、子育て支援や家族のこころのケアの重要性が最近、重要視されています。発達障害の支援は、個々の患者さんやご家族の方々のニーズに応じて、日常生活の支援、併存する医療的な問題への支援、教育上の支援、就労支援や子育て支援など多岐にわたります。支援する機関も多岐にわたるため、普段から地域の他領域の支援者の間で円滑なコミュニケーションを心がけ、本人の特性に対する理解を共有することが重要です。普段からこのような円滑な多くの職種の地域連携がなければ、災害時の支援は難しいと考えられています。地域における発達障害の支援機関に関する情報は、地域の発達障害者支援センターや自治体の福祉担当部署などに問い合わせるとよいでしょう。


◎ 著者プロフィール
氏名:高橋 秀俊(タカハシ ヒデトシ)
所属:高知大学医学部 児童青年期精神医学
役職:特任教授

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