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コラム -医療情報提供-

子どもの睡眠

 今日は子どもの睡眠についての話をしたいと思います。
 はじめに子どもの生活リズムと睡眠時間、つぎに睡眠の役割、最後に睡眠の問題とその症状など日常生活への影響についてお話します。
 現代の社会では、1日24時間の正確なサイクルで生活が行われており、保育所や学校などの始まる時間も毎日決まっています。子どもたちもそれに合わせた生活リズムが必要となります。一方、ヒトの体内時計では1日が約24時間11分とされており、毎日少しずつですが、「ずれ」が生じます。このずれを調節する仕組みも私たちのからだには備わっており、代表的なものとしては光刺激や食事があります。
 赤ちゃんは、約3時間おきに目が覚めて、おっぱいやミルクを飲み、おしっこやうんちをしてまた眠る、というリズムで生活しています。1日の約3分の2を寝て過ごしています。1歳ごろになると一旦眠ると途中で起きにくいような睡眠リズムとなり、この頃には1日の睡眠時間は12時間ぐらいとなります。小学校に入るようになると、睡眠は夜間のみとなります。 眠りは脳を創り育てると言われ、睡眠が十分とれていない子どもは記憶を担当する海馬という組織が小さい、つまり発達が未熟であるということが知られています。眠りは脳の働きを守っているらしいことも徐々に明らかになってきています。毎日少しずつでも睡眠が不足した状態が長期に持続することは大きな問題で、脳の正常な発達を妨げ知的な機能を障害してしまい、1日のリズムをなくしてしまうともいいます。
 新生児期や乳幼児期の睡眠の問題としては、寝てばっかりであることや、寝つきが悪いこと、頻回の中途覚醒、短い総睡眠時間、不機嫌と泣きの多さなどが代表的なものとされます。これらの問題は、将来の発育・発達のみならず、生涯に渡る悪影響が心配されるようになってきました。
 学童期以降では睡眠に問題が生じると、日中の眠気、集中力や記銘力の低下、成績・業績の低下、対人コミュニケーション悪化、事故・怪我の増加、うつ傾向などがみられるようになることもあります。
 日々十分な睡眠をとることは、自らまたは家族が意識して取り組めることも多いのですが、病気が潜んでいることもあります。病気によっては、医療的介入によって睡眠のリズムを安定させることができる場合もあります。
 保護者の皆様には、子どもの発達段階に合わせた適切な睡眠を心掛けるようにお願いしたいと思います。


◎ 著者プロフィール
氏名:石原 正行(イシハラ マサユキ)
所属:高知大学医学部附属病院 小児科
役職:助教

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