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コラム -医療情報提供-

気胸とはーその症状と治療についてー

 気胸で手術をしたという話は芸能人を含め、時折耳にすることがあるとは思いますが、いったいどういう病気でしょうか。
 気胸とは肺がやぶれることによって、しぼんでしまう病気です。肺がしぼんでしまうことで、十分に空気を吸い込むことができず息が苦しくなってしまいます。
 原因として最も多いのは肺にできる嚢胞とよばれる袋です。この袋は通常の肺よりも脆く、破れやすいため、運動や力仕事、咳などで肺に力が加わった際に嚢胞が破れて発症します。
 突然の胸痛で発症し、その後呼吸苦が出るのが一般的で、具体的にいつ発症したか明確に言えることが多いのが特徴です。多くは診察とレントゲンで診断可能です。
 呼吸苦の程度は肺がどれだけしぼんだかで決まります。肺が完全にしぼんでしまうと空気を肺に取り込むことができず症状が強く出ます。
 肺がほとんどしぼんでない場合は治療が必要なく、様子を見るだけで治る場合もありますが、高度に肺がしぼんでしまった場合には治療が必要となります。
治療はまず胸にドレーンと呼ばれる管を入れ、特殊な機械につなぎます。そうすると肺から漏れ出した空気を体の外に逃がすことができ、しぼんだ肺が再び拡がります。しかし、最終的には肺にあいた穴が塞がらないと治りません。この穴は自然に塞がることもあります。しかし、1週間程度経過をみても穴が塞がらない場合には手術適応となります。
 手術の多くは胸腔鏡という内視鏡手術で行います。手術では肺嚢胞を切除する方法や肺を縫って穴を閉じてしまう方法が一般的です。
  手術は全身麻酔で行いますが、肺気腫などの基礎疾患のある高齢者の方の場合は全身麻酔をかけること自体が危険な場合もあります。そういった場合には手術は行わず、管から薬剤をいれることで穴を閉じてしまう方法もあります。その他にも様々な治療法はありますが、いずれの方法も短所、長所があるため、それぞれの患者さんに最適な治療法をその都度選択して治療にあたっています。
  このように診断は比較的容易ですが、治療には専門的な設備が必要となることが多いのが気胸という病気です。また、同じような症状の中には心臓血管系の病気もあります。気胸でも心臓血管系の病気でも早期の対応が必要となることが多いため、こういった症状が出現した場合には早めに病院を受診してみてもらうようにしましょう。


◎ 著者プロフィール
氏名:宮﨑 涼平(ミヤザキ リョウヘイ)
所属:高知大学医学部附属病院 呼吸器外科
役職:助教

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