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コラム -医療情報提供-

子供のいびきや無呼吸

 近年、いびきと無呼吸症の関連は周知されてきましたので、いびきだけではないという視点からお話させて頂きます。ちょっと寝息が大きいかなと思われる程度でも無呼吸症が隠れていることがあります。手術を受けて無呼吸症が治ったお子さんの保護者の方が言われるに、手術後はとっても静かになって息をしているかなと心配になって起こしてしまうことがあるそうです。このように健常な子供の寝息は静かなのです。他方、息を吸う時に胸の下の方が凹むのは、陥没呼吸と呼ばれ、より重症な無呼吸症の症状であるとされています。但し、無呼吸症には後に述べる様々な原因がありますので、陥没呼吸があるから即手術ではありません。
 次に、横向に寝て上向きに眠れない場合も無呼吸症が疑われます。人の体は体表面積から上向きに寝ることが最も心地よいと考えられます。実際、無呼吸症の手術後には上向きで寝る患児が増えることが報告されています。しかし、扁桃、アデノイドが大きいと上向きより横向きで寝た方が楽な場合があるようです。
 十分な睡眠時間をとっても朝元気に起きられない場合も無呼吸が疑われます。子供に必要な睡眠時間は10歳10時間と言われています。もし、睡眠時間が短いかもと思われたら、1時間早く寝かせてみてください。それでも改善しないなら無呼吸症があるかもしれません。
 夜尿も無呼吸症が疑われる症状です。大人の場合、無呼吸症が重症であるほど夜よくトイレへ行くのですが、子供の場合にはそれが夜尿になると考えられます。一概に無呼吸症のためとは言えないのですが、5歳以降も続くようなら医療機関に相談してもよいと考えられます。
 また、無呼吸症がからだの成長に影響することもわかっています。生まれた時から身長の伸びや体重の増え方がよくない幼児、順調であった成長が遅れてきた小児、体重が増えすぎる幼小児に対しても無呼吸症の有無を調べてもよいと考えられます。
 無呼吸症は、扁桃やアデノイドが大きいだけでなく、風邪やアレルギー性鼻炎、花粉症、副鼻腔炎によっても生じます。近年、0歳や1歳のアデノイド肥大の患児が増えてきました。また、花粉症を1歳から発症する幼児もいます。よって、最寄りの小児科や耳鼻咽喉科にて治療を受けてもなお、いびきやその他の症状が認められ、扁桃やアデノイドの肥大がある患児は手術が行える医療機関へ紹介されて手術を受けるという流れになりつつあります。


◎ 著者プロフィール
氏名:小森 正博(コモリ マサヒロ)
所属:高知大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
役職:講師

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