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コラム -医療情報提供-

特定健診のすすめ

 メタボリック症候群は、内臓に脂肪がたくさん付いて、そのうえ血糖、脂質、血圧が普通より少し高い状態です。このままの状態が続くと、動脈硬化が一層悪化して、脳卒中や心筋梗塞などの病気になってしまいます。このメタボリック症候群を見つけるための健診が、特定健診です。

 メタボリック症候群と似た言葉に生活習慣病があります。生活習慣病とは、遺伝要因や加齢に加え、日頃の生活習慣が病気の発症や進行に関わっている病気のグループのことです。この生活習慣病のグループに入っている病気には、血液中の糖の値が高くなる糖尿病や血液中の中性脂肪などが高くなる脂質異常症、そして血圧が高くなる高血圧症があります。これらの病気に共通しているのは、多くが肥満や動脈硬化を伴っていることです。しかも、生活習慣病はほとんど自覚症状がなく、本人の気づかないうちに進行します。

 メタボリック症候群は、生活習慣病の代表格である糖尿病と脂質異常症と高血圧症のうち2つの病気があって、さらに内臓に余分な脂肪が付いている状態のことです。仮に、糖尿病、脂質異常症、高血圧症が軽症でも、これらの病気に2つ以上罹っていると、血管をボロボロに傷つける動脈硬化が急速に進み、脳卒中や心筋梗塞などになってしまう可能性が何倍も高まります。そのため、特定健診によってメタボリック症候群の有無をチェックする必要があります。

特定健診は、40~74歳の方々を対象に、年1回、身体計測や血圧測定、血液や尿の検査などを行います。この特定健診では、糖尿病や脂質異常症、高血圧症にかかっていないか、またはメタボリック症候群になっていないかが分かります。 

 メタボリック症候群が見つかった方は、一刻も早く治療を始めることが最も重要です。治療とともに大切なのは、生活習慣の改善です。糖尿病や高血圧症などの状態に応じた生活習慣の改善を、保健師や管理栄養士など専門スタッフがサポートします。

 メタボリック症候群が見つからなかった方は、健康を維持するための生活習慣を続けていただき、翌年の特定健診を受診しましょう。

 メタボリック症候群は、本人の気づかないうちに進行します。軽症のうちに病気が見つかれば、慣れ親しんでる生活習慣をほんの少し変えるだけで病気の進行を抑えられる可能性が高まります。40~74歳の方で、最近特定健診を受けてない方や、過去に一度も受けたことのない方は、ぜひ、特定健診を受けましょう。


◎ 著者プロフィール
氏名:杉本 加代(スギモト カヨ)
所属:高知大学医学部看護学科 
役職:准教授

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