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お知らせ(2020年度)

医学部医学科薬理学講座のZou Suoさん(博士課程2年)、清水孝洋准教授及び齊藤源顕教授らの研究グループの研究成果が国際誌『International Journal of Urology』に掲載され、令和3年1月5日に電子版が公開されました。

 医学部医学科薬理学講座のZou Suoさん(博士課程2年)、清水孝洋准教授及び齊藤源顕教授らの研究グループの研究成果が国際誌『International Journal of Urology』(日本泌尿器科学会学会誌)に掲載され、令和3年1月5日に電子版が公開されました。

【論文名】
Age-related differences in responses to hydrogen sulfide in the bladder of spontaneously hypertensive rats
【和 訳】自然発症高血圧ラットの膀胱において硫化水素に対する応答性は週齢により異なる
【論文URL】 https://www.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/iju.14478

 排尿障害は患者のQOLを著しく低下させ、高齢化の進展に伴いその患者数も今後益々増加するものと予想されます。一方で既存の治療薬が奏功しない排尿障害患者も存在することから、新たな治療標的の探索が必要です。
 Suoさんらは以前より、自然発症高血圧ラット(SHR)を用い、慢性高血圧に伴う膀胱虚血が膀胱の過剰収縮を伴う排尿障害の一因である事を明らかにしてきました。またSuoさんらは最近、ガス状伝達物質・硫化水素(H2S)が膀胱における内因性の弛緩因子である事を明らかにしましたが、SHRでは一定期間の高血圧持続の後に排尿障害が出現する事から、H2Sに対する膀胱の反応性がSHRの週齢により異なる可能性を考え、実験的に検証しました。
 結果、高血圧を示すが排尿障害は認めない12週齢SHRではH2Sによる膀胱弛緩反応が観察された一方、高血圧かつ排尿障害を呈する18週齢SHRでは、12週齢SHRに比して H2Sによる膀胱弛緩反応が減弱していました。よって、慢性高血圧に伴う排尿障害の一因として、H2Sに対する膀胱の反応性低下が考えられました。
 本研究成果は、H2Sを標的とした排尿障害治療薬開発の基礎資料になるものと期待されます。

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