医科初期研修プログラム

プログラムの概要 ― プログラム一覧

高知大学・高知医療センター複合研修プログラム概要

定員2人

 高知大学病院の研修の良いところと、高知医療センターの研修の良いところを合わせた「良いとこ取り研修」(たすきがけ研修)です。

 高知医療センターは高知市の南東部に位置し、地域の基幹病院として重要な役割を果たしています。最新の設備と経験ある指導体制で、臨床研修をサポートしています。

 1年目を大学病院、2年目を高知医療センターで研修するか、もしくは逆のパターンで研修できます。パターンの選択やローテート研修のプラン作りにあたっては、医療人育成支援センターのアドバイザーもしくは各分野の専任アドバイザーがお手伝いいたします。 詳しくは資料「高知大学で初期研修 卒後臨床研修のご案内」をご覧ください。

■研修時期の決定について

 1年目に大学病院で研修するのか、高知医療センターで研修するのか、迷うところかと思います。それぞれの病院の特徴がありますので、よく考えて検討して下さい。

 どちらを先に研修するのかは、マッチング決定後に意向調査をいたしますが、その時点では決めません。3月の医師国家試験合格発表後、たすきがけプログラムにマッチされた方に意向をお伺いします。 必要に応じて4月1日までに皆さんにお集まりいただき、調整作業を行います。

■プログラムのねらい

 基幹型研修病院にはそれぞれの理念があり、フィールドとする環境によって患者さんや疾病構造にも相違があります。指導医やコメディカルスタッフにも違いがありますし、処遇面でも違いがあります。したがって複数の研修病院・施設での研修は貴重な経験となります。従来の大学病院の研修プログラムでも、一定以上の期間を協力型研修病院や協力施設で研修することが可能です。ただし短期間のローテート研修は、その病院のシステムやスタッフに慣れる間もなく過ぎてしまい、ストレスの連続となります。そこで“たすきがけ研修”では、1年ごとに「基地」を決め、その間は所属病院の医師として患者さんや職員と交流し、腰を据えて特徴ある医療を経験することができます。 大学病院でじっくり考え、高知医療センターで救急を中心としたアクティブな医療を実践することで、3年目以降の大きな自信につながるものと期待できます。

■プログラムの目標

 大学病院および高知医療センターで1年ずつ特色のある研修を行いながら、厚生労働省の示す「到達目標」を達成する。

  1. 大学病院では、ひとり一人の患者さんについて全人的医療の実践を行うとともに科学的見地から考察し、議論を通じて患者さんや疾病に向かいあう基本姿勢を身につける。さらに症例をまとめプレゼンテーションする能力を養うことで、「考える医師」としての基礎を築く。
  2. 高知医療センターでは、豊富な救急症例の経験を通じて、臨床の知識や手技を積み重ね、迅速な判断力や手技の実践力を身につける。
  3. 異なる形態の医療機関での職務を経験することで、チーム医療の重要性とバリエーションを学び、もって医療人としての見識や、柔軟な対応能力を身につける。

■ローテート研修

ローテート例1:1年目大学病院・1年目高知医療センター
1年次 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
大学病院
内科(3科) 産婦 精神 自由選択
2年次 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
高知医療センター
救急 小児 外科 地域 一般外来 自由選択

ローテート例2:1年高知医療センター・2年目大学病院
1年次 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
高知医療センター
内科 外科 精神
(土佐病院)
救急 自由
選択
2年次 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
大学病院
小児 産婦 地域 自由選択 一般外来 自由選択

スケジュール表は1例であり、ローテート順を示すものではない。

必修分野
必修分野は、内科24週以上、救急12週以上、外科4週以上、小児科4週以上、産婦人科4週以上、精神科4週以上、地域医療4週以上、一般外来4週以上

外科、小児科、産婦人科、精神科
 大学病院又は高知医療センターで行う。
 産婦人科及び精神科は、1年目の25週目以降での研修が望ましい。
 なお、高知医療センターで研修する場合は、外科(消化器外科・一般外科、脳神経外科、整形外科、形成外科、呼吸器外科、心臓血管外科から1診療科選択)は高知医療センターで行うが、小児科および産婦人科は高知医療センターまたは大学病院、精神科は土佐病院、高知鏡川病院または高知県立あき総合病院で行う。

一般外来
 1年目又は2年目に大学病院又は高知医療センターのカリキュラムで行う。
 大学病院の場合は、病棟研修を含む分野の研修を8週以上行った後、大学病院の総合診療部で4週以上あるいは、2年目に十全総合病院で8週以上研修を行う。
 高知医療センターの場合は、総合診療科で4週以上研修を行う。

1年目に大学病院・2年目に高知医療センターを研修基盤とする場合

 内科は1年目に大学病院で研修する。
 救急は2年目に高知医療センターで12週以上の実践的救急研修を行う。
 地域医療は2年目に高知県のへき地医療研修カリキュラムによる地域に根ざした研修を行う。

1年目に高知医療センター・2年目に大学病院を研修基盤とする場合

 内科は1年目に高知医療センターで研修する。
 救急は高知医療センター救急救命センターで1年目に12週以上行う。
 地域医療は2年目に、高知県へき地医療研修プログラム、地域志向性地域医療研修プログラム、在宅療養支援診療所を中心とした在宅医療研修のいずれかを選択して研修を行う。

自由選択科目

 必修科目および選択必修科目以外の研修期間は、自由選択科目の研修を行うことができます。2年間の研修の目的や将来のキャリアを考えながら、科目を選択することが必要となります。そのために、それぞれの分野のキャリアパスやローテート推奨パターンを解説した資料「高知大学で初期研修 卒後臨床研修のご案内」をご参照下さい。
 選択できる科目は以下の科(部)ですが、協力型研修病院(施設)での研修を選択することも可能です。詳細については、資料「高知大学で初期研修 卒後臨床研修のご案内」をご参照下さい。

大学病院の自由選択科目
第一内科、第二内科、血液内科、呼吸器・アレルギー内科、老年病・循環器内科、脳神経内科、腫瘍内科、小児科、精神科、皮膚科、放射線診断科、放射線治療科、外科(消化器外科、乳腺内分泌外科、小児外科)、心臓血管外科、呼吸器外科、形成外科、麻酔科、産婦人科、整形外科、眼科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、脳神経外科、泌尿器科、検査部、総合診療部・地域医療、病理診断部、緩和ケア、救急

高知医療センターの自由選択科目
総合診療科、児童精神科、血液内科・輸血科、糖尿病・内分泌内科、緩和ケア内科、腫瘍内科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、消化器外科・一般外科、腎臓内科・膠原病科、産婦人科、小児科、小児外科、救命救急科、麻酔科、放射線科・放射線療法科、ペインクリニック科、病理診断科、脳神経外科、眼科、耳鼻咽喉科、呼吸器外科、心臓血管外科、泌尿器科、皮膚科、整形外科、形成外科、乳腺・甲状腺外科