教育研究領域

1 流域圏資源科学領域~共生科学コース~

(1)生物資源生産分野

黒潮圏における海洋生物の個体群や群集の潜在的な生産力を評価すると同時に,生物多様性の維持機構の特性を明らかにし,生物資源管理のための基礎的知見を得るための教育・研究を行うことを目的とします。そのため,干潟,藻場,サンゴ礁などの各生態系における食物連鎖構造や生物間相互作用等を明らかにしています。

(2)生物構造機能分野

黒潮圏の藻類,昆虫,魚類を含む種々の生物の細胞構造と機能を理解するための基礎生物学的な教育・研究を行ないます。特に,細胞の形態形成と分化のメカニズムを明らかにし,それを調節する細胞小器官の発達,成長因子,環境刺激,ウィルス感染,細胞間相互作用を調べています。

(3)鯨類資源生態系分野

黒潮圏,特に土佐湾とその周辺海域を対象に,ニタリクジラやイルカ類の分布回遊特性や生活史特性を分析すると共に,これら鯨類と有機的に関係するプランクトン類,ネクトン類,さらに群集性魚類の生態や動態を比較分析し,鯨類とその集団を支える土佐湾海域の豊かな生物資源特性,環境特性とそのメカニズムを解明していきます。

2 流域圏環境科学領域~共生科学コース~

(1)環境保全分野

黒潮がもたらす特徴的な水域ならびに陸域生態系の構造と機能を,生物学的・環境化学的側面から解明し,黒潮圏の物質循環を分析化学的に解析するための(環境科学に関する)基礎的な教育・研究を行ないます。黒潮圏の生物構成要素が他の生態系とどのように異なるかを理解することで,黒潮生態系全体及び相互に関連しあった各地域における細かな生物保全対策の立案を目指します。また,健全な海洋環境とはどのようなものか,また人為的なインパクトが環境に与えられたときに環境はどのように変化するのかを富栄養化や赤潮発生のメカニズムに関連づけて解明するとともに,その環境改善・修復技術についても教育・研究します。

(2)環境変動・社会分野

黒潮圏で生活する人間をとりまく環境を,自然・人文社会の両面から総合的にアプローチする。特に,環境変動に対して黒潮流域圏がどのような影響をうけるかを実証的に明らかにすることにより,環境変動に対する黒潮圏の応答を解明します。すなわち,環境変動に関して黒潮圏の気圏・水圏・岩圏が地球科学的にどのような応答を示すかを解明するとともに,社会環境の変化に伴う黒潮圏域の住民生活の過去と未来の様相を分析し,黒潮圏に存在する自然環境や資源の保全と,その有効な活用のあり方を総合的に解明します。

3 海洋健康医科学領域~共生科学コース~

(1)海洋健康医科学分野

本分野では,免疫と栄養の観点から海洋資源の健康に与える効果を体のしくみの解明を通して教育・研究します。海洋生物を材料として,生体に有益な機能を持つ物質の単離とその構造解明を行ないます。また,黒潮文化圏の豊かな資源に基づいて生産された食材の栄養を食品化学的に解明するとともに,それらを摂食する住民の健康維持管理法を栄養学的に教育・研究します。さらに,海洋生物あるいは食品に存在する機能性分子について,病原体やがん細胞に対する免疫応答機能への影響を調べ,免疫増強効果もしくは免疫抑制効果をもたらす物質の構造と作用機序を解明し,医薬品としての可能性を検討しています。

1 人間科学領域~人間科学コース~

(1)人間科学分野

高齢者は,免疫能の低下により,肺炎などを発症する頻度が高い。また,一旦病気になると寝たきりになりやすい。そこで,いつまでも元気ではつらつとした高齢者であり続けるための,食と看護の役割を解明する。さらに,自立度が低下している高齢者に対するQuality of Life(QOL)を高めるケアについて教育・研究する。

また,障がいや疾患をもちながら成長発達する子どもと家族が,自分らしく家族らしく「いきること」を支える看護の役割を教育・研究する。