スプリング・サイエンス・キャンプ in 高知大学

<ENGLISH>

最終更新日:08.1.14

2004年3月25-27日に,高知大学海洋コア総合研究センターおよび遺伝子実験施設で
スプリング・サイエンスキャンプ(財団法人日本科学技術振興財団主催)が行われました.
本ページでは,コアセンターで実施された「コアコース」の模様を掲載します.

サイエンスキャンプのプログラム紹介ページはこちら

キャンプの様子を伝える新聞記事(朝日新聞高知版3/28)

ニュースに戻る


コアコース参加者全員で記念撮影
コアセンターの講師およびTA:池原,村山,朝日,西村,松田,岸崎
3月25日(1日目)
・講義・施設見学

1日目夕方,コアセンターの施設見学後に村山先生によるIODP紹介の講義を聴く.
 高知大学のサイエンスキャンプに参加したのは,全国各地から集まった計20名の高校生.10名ずつ「コアコース」と「遺伝子コース」に分かれて,講義と実験を行いました.

 1日目は,遺伝子実験施設で開校式を行った後,深海生物の生態や進化に関する講義を聴きました.その後,遺伝子実験施設とコアセンターの施設見学を行いました.

3月26日(2日目)
AM: 「海洋コア研究ってどんなもの?」
・肉眼岩相記載に挑戦・色を測る・X線CT入門
PM: 「氷河時代の海をさぐる」
・微化石の抽出と実体顕微鏡観察・質量分析計による酸素同位体比測定

世界の海から採取された海洋コアを使って,まずは自分の目でよく観察することから実習が始まりました.実習に使ったコアは,日本海,房総沖,四国沖,西マリアナ海盆,西赤道太平洋,南大洋などから採取された実物.岩相も半遠洋性堆積物,炭酸塩軟泥,IRD含有堆積物,ラミナ層など様々なタイプがありました.

X線CTスキャナの原理や測定方法を学習中.目で見ただけではわからないコアの堆積構造や物性の違いが,X線を使うと見えてくる.

四国沖から採取したグラビティコア(水深約2700m)を使って,堆積物のサンプリング方法,水洗処理方法を実習.

各自コアから分取したサンプルから砂粒子を取り出し,それらを実体顕微鏡で観察しました.陸起源の石英や長石の他,各種の微化石(有孔虫,放散虫,珪藻など)が視野に広がります.

実習用コアから浮游性有孔虫Globigerinoides ruberを拾い出し,それらの炭素・酸素同位体比を測定します.

安定同位体比質量分析計(IsoPrime)の原理や測定方法を説明中.各自が調整した測定用試料を自動前処理装置にセットして測定をスタート.

2日目の夜は,懇親会でした.

現役の大学生や大学院生も加わり,等身大の大学生活を語り合う?
3月27日(3日目)
AM: 微化石のミクロの世界をのぞいてみよう
PM: 閉校式

電子顕微鏡(SEM)のしくみや使い方の説明を受ける.

SEM観察に挑戦中.堆積物から各自が実際に取り出した微化石を拡大し,形態を観察.

顕微鏡の画像をプリントして持ち帰りました.

前日に測定した酸素同位体比をプロットして,最終氷期から現在までの気候変動の様子を復元しました.

コアセンターの前で記念撮影.

閉校式で修了証をもらい,無事プログラムが終了しました.普段の高校生活では体験できないようなサイエンスの現場を実体験して,有意義な3日間だったようです.