自然科学系第2期学系プロジェクト

 第2期における学系プロジェクトでは、以下の6つのキーワードを軸に6つのサブプロジェクトに取り組みました。

海洋 物性 環境 水・バイオマス 食料・エネルギー 中山間
海洋
「海洋の恵み・神秘・驚異を科学する」

 高知県の風土・文化・産業・自然環境を特徴づける多くの要因が太平洋に起源を持ちます。太平洋の海洋環境と,そこに生息する多様な生物の生態と機能,海洋物質の生成過程と資源の開発,さらに海洋環境が陸上生活に及ぼす影響を科学的に解明することは,海洋立県高知に位置する大学の自然科学系分野にとって,重要な研究課題であるとともに責務でもあります。このような趣旨の下で,高知県の魚類相の分類,海洋無脊椎生物の酵素や遺伝子の構造と機能,海溝型巨大地震の履歴と発生メカニズム,海洋と熱帯降雨システムの関係などをテーマとしたサブプロジェクト「海洋の恵み・神秘・脅威を科学する」を実施しています。

「海洋」サブプロジェクト報告書
2015年度2014年度2013年度2012年度2011年度2010年度
「海洋」「海洋」「海洋」「海洋」「海洋」「海洋」
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物性
「多重極限環境下の物性研究」

 本サブプロジェクトの目的は、物理学と化学が協力して高知大学から興味ある新物質を発掘することです。そのために、物理的科学的手法による新物質の合成に加えて、多重極限(極低温,強磁場,高圧)環境下での巨視的(電気抵抗率,磁化率,比熱,熱伝導度,熱起電力)・微視的測定(NMR/NQR)により物性を明らかにし,さらに理論的な立場からの検討を加えます。物性物理学,物性化学,計算化学,天然物化学,ハドロン物理学を専門とする研究者が協力します。

「物性」サブプロジェクト報告書
2015年度2014年度2013年度2012年度2011年度2010年度
「物性」「物性」「物性」「物性」「物性」「物性」
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環境
「変動する環境と生物多様性」
―その過去と現在―

 環境サブプロジェクトでは,変動する環境における生物群集や個体群の存在様式を明らかにし,生物多様性の保全に寄与することを目的とします。プロジェクトは大きく2つに分かれており,その一つは過去の環境変動と生物多様性や植生の変遷を解明すること,もう一つは高知県の中山間地における地すべりなどの地表変動及び人や野生動物による攪乱作用と,そこに成立する生物群集と生物多様性の動態との関連性を解明することです。2010年度は,四国山地におけるシカ個体群の増加による生態系へのインパクトが激しくなり,植生が急激に衰退していることから,四国山地の特に剣山系三嶺山域の植生変化を調査し,生物多様性の保全策を見出すことを共通テーマとして取り組みました。

「環境」サブプロジェクト報告書
2015年度2014年度2013年度2012年度2011年度2010年度
「環境」「環境」「環境」「環境」「環境」「環境」
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水・バイオマス
「地域再生に寄与する革新的な水・バイオマス循環システムの構築」

 本研究プロジェクトでは、バイオマス・水・エネルギー循環を一体とする環境に配慮したゼロエミッションの地域循環型システムを確立する目的で、以下の3サブグループから構成される異分野横断の連携研究を実施します。

1.水・バイオマスのカスケード型循環システムグループ(G1)
2.水資源・バイオマスエネルギーグループ(G2)
3.流域水環境管理グループ(G3)

 G1では、従来の一過型の水・バイオマス利用システムから脱却し、革新的な水・バイオマスのカスケード型循環システムの開発を目指した一連の研究を行います。すなわち、未利用バイオマスの質を考慮し、高付加価値な循環利用を進めた上で、それが不可能なバイオマスや高付加価値利用の残さについては、より低品位な循環利用を行うなど、バイオマス循環をカスケード的に行うことにより、バイオマスを徹底的に「しゃぶりつくし」、農業地域のバイオマスからより多くの価値と製品を生み出すことを目指しています。その際には、従来の農業・林業・水産業・工業等の産業セクターや、場の違い(山・都市・農村・海、等)を超えた循環を模索することにより、ある場所では「ゴミ」であったものを別の場所で「宝」として有効活用する技術とシステムを開発します。G2では、水資源・バイオマスの活用による「地域内のエネルギー自給」を可能とすることを目指し、資源収集や燃焼利用の観点から新規の森林・農業系バイオマスの資源・エネルギー利用技術・システム開発を目指した研究を行います。G3では、流域水環境保全に向け、「水」をキーワードにした様々な研究分野の研究者の共同により、各種の水環境保全技術の開発や水環境の調査研究を実施します。 本プロジェクト研究の推進が、水やバイオマスの有効利用ならびに環境保全につながると同時に、地域活性化にも寄与することを願っています。


   森林・農業系バイオマスの資源
    ・エネルギー利用システムの構築

「水・バイオマス」サブプロジェクト報告書
2015年度2014年度2013年度2012年度2011年度2010年度
「水・バイオマス」「水・バイオマス」「水・バイオマス」「水・バイオマス」「水・バイオマス」「水・バイオマス」
報告書報告書報告書報告書報告書報告書

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食料・エネルギー
「食農立国高知発・地域環境資源を活用した先端的農林水産技術の開発」

 高知県は、温暖多照で十分な降水量を有する反面、山勝ちで平地の少ない地勢が農業生産にとっては不利です。私たちのプロジェクトは、高知の持つポジティブな環境因子はさらにその利用効率を高め、一方、ネガティブな因子も発想の転換によって環境資源としての活用局面を見出しながら、エネルギーの利用効率を高めた持続的生産を可能にする高知ならではの新規農林水産技術を開発することを目的に実施しています。本プロジェクトは、以下の7つの研究グループによって構成されます。

・食料グループ
・地域環境資源グループ
・地域環境教育グループ
・食料・エネルギーグループ
・生環環境調節グループ
・森林グループ
・海洋・水産グループ



「食料・エネルギー」サブプロジェクト報告書
2015年度2014年度2013年度2012年度2011年度2010年度
「食料・エネルギー」「食料・エネルギー」「食料・エネルギー境」「食料・エネルギー」「食料・エネルギー」「食料・エネルギー」
報告書報告書報告書報告書報告書報告書

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中山間
「中山間地域問題」の解決に向けた実践型研究
―高知県と東南アジアに焦点を当てて―

 現在、日本の中山間地域では、放棄耕作地の増加、集落機能の低下や集落の消滅、生物多様性の減少、獣害の増加など、過疎・高齢化に伴う諸問題が深刻化しています。本プロジェクトでは、当問題が全国的にも進んでいる高知県、および同様の問題の兆しがみられる東南アジアを対象にして、問題解決を目指した実践型研究をおこなっています。具体的には、日本においては焼畑栽培、ブルーベリー栽培、間伐材製材など中山間地域の環境条件を生かした農林産物の開発・生産とそれらの流通・普及、また、豊かな水を利用した小水力発電など自然資源を活用した低コストな暮らし作りを試みています。国、県、市町村や集落と連携をとりつつ、教員と学生が現場で考え、活動しています。東南アジアにおいては、マレーシアを拠点にし、人口減少・高齢化の現状やそれによる村落共同体への影響について研究しています。
 
   同じ圃場でも生育状況に違いがある        トラキ人の陸稲畑(焼畑)

特産品開発グループ
リーダー:浜田和俊
グループメンバー:西村安代、山本由徳、村井正之、河野俊夫


中山間地域に暮らす人々の生計を維持に役立つように特産品の栽培、開発およびその流通について調査・研究する。具体的には、ブルーベリーの栽培・加工品開発、薬草の栽培技術開発、有機米の省力栽培、米粉用の多収量品種の開発、焼畑での有機野菜栽培と加工品開発、どぶろく開発などを手掛けている。

自然共生・利用グループ
リーダー:佐藤周之 グループメンバー:笹原克夫、市栄智明

中山間地域の豊かな自然の活用によって低コストな暮らしを実現し、自然とうまく共生した継続的な暮らしを目指すための調査・研究を実施している。具体的には、小水力発電の導入可能性の検討、災害防止など森林機能の評価、近年著しい獣害の対策について検討している。

東南アジアグループ
リーダー:市栄智明 グループメンバー:山本由徳、市川昌広

農山村の過疎高齢化は、日本ばかりでなく、東南アジアにおいても兆しがみられる。東南アジアの中でも経済的に先行し、過疎高齢化の兆しがみられるマレーシア・サラワク州を研究対象として、農林漁業との関係、暮らしとの関係について調査する。高知との比較をおこない、双方の地域の問題の解決を模索する。

経営・機能・文化グループ
リーダー:松本美香 グループメンバー:市川昌広

中山間地域の集落の経営、機能、文化、社会のあり方について調査・研究し、上の各グループと連携することによって、中山間地域問題の解決に向けた実践の核になる。高知県嶺北地域の集落において、集落営農に関する調査、集落機能の現状評価、集落の人びとの意識調査などをおこなっている。

中山間地域農業再生支援グループ
リーダー 河野俊夫 教授 グループメンバー:市川昌広 教授、池島 耕 准教授、松本美香 准教授

 地域を支える中核大学として、疲弊した地域農業をサポートすることは、これからの高知大学農学部の役割強化につながるものと考えられる。大学も単に学術上の研究を行うだけでなく、現場に多く散在する、実用問題からの研究課題の掘り起しをすることで、研究力アップにつながるものと考える。そこで本サブプロジェクトでは農業の再生を支援するチームを編成して、高知県内に多数ある中山間地域の課題を解決することを目的とする。
「中山間」サブプロジェクト報告書
2015年度2014年度2013年度2012年度2011年度2010年度
「中山間」「中山間」「中山間」「中山間」「中山間」「中山間」
報告書報告書報告書報告書報告書報告書

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