大学紹介

平成16年度 国立大学法人高知大学入学式告辞

 新入生諸君、入学おめでとう。

 多年の努力が実を結び、ここに目出度く入学を許可された諸君を、本学教職員と在校生一同は心から歓迎いたします。

 またご出席くださったご家族の皆様も、さぞご満足のことと、およろこびを申し上げます。

 さて、ご承知の通り高知大学は、本年4月1日から国立大学法人高知大学となりました。新入生諸君は、この新しく出発した国立大学法人高知大学の第1期生として入学を許可されたのであります。

 文部科学省が明治以来の高等教育制度の大改革を断行する背景としては、21世紀の人類をとりまく社会環境が20世紀のそれと質的に全く異なることを認識してのことと考えます。智の創造と継承の場である大学の、21世紀に相応しい活性化を図ろうとしているのであります。

 すなわち、諸君が国立大学法人高知大学の第1期生であるということは、日本の高等教育大改革の歴史の証人という存在なのであります。

 大学の法人化とは、国有鉄道がJRに変わったと同じに大学が変わる、ということではありません。

 人間の営みとしての教育という視点から、大学には、「変えてはならないもの」と「変わらなければならないもの」とがあり、これを如何に正しく認識する能力を、今の大学人は持てるのか、が問われているのだと考えます。

 法人化による競争的環境とは、「変わってはならないもの」と「変えなければならないもの」とを、どのように認識し、峻別し、実行できるか、その能力が問われているのです。その結果として、大学本来の使命を、より個性的に具現化していくことが高知大学に求められているということなのであります。

 第1期生の入学を迎える記念すべきこの日に、改めて全学に対し、学長として、CHANGE,CHANCE,CHALLENGE,CREATEの4つのCを呼びかけます。

 社会が求める大学の改革CHANGEをよく認識し、これを改革の絶好のCHANCEと捉え、果敢に挑戦CHALLENGEし、21世紀に欠くことのできない大学、高知大学をCREATE創造して行きましょう。

 この意味から、諸君はこの歴史の証人であると同時に、当事者でもあることを強く意識して頂きたいのです。

 高知大学の主役は、あなた方学生諸君であり、4つのCを胸に刻んで、教職員と共に、実学を基本においた智の創造と継承の場としての高知大学を進化させましょう。高度で実際的な学術・研究の推進と、地域社会のみならず広く国際社会に貢献しうる人材を輩出する大学を目指そうではありませんか。

 諸君は本日から学生であります。生徒ではありません。生徒は学校で習い教わる者ですが、学生とは、大学を利用して、自らが課題を求め、自らが学ぶ者であります。教えて貰うことを期待する人は、必ず失望するでありましょう。大学が、自分に何をしてくれるかではなく、諸君自らが何を求めるのかということが大切なのです。大学の教育とは、教壇からの講義に止まるものではないのです。同世代の人間同士が集まって学び、刺激しあい議論しあうところに、大きな意味があります。

 新入生の諸君が、やがて、母校高知大学を卒業する日に、母校がどれほどの進化を遂げているか、それは、いつに諸君と私たち教職員の肩に掛かっているのであります。

 4つのCとともに、新入生諸君への餞として

 昨日の夢を、今日の希望に、そして明日の現実へ

という言葉を贈ります。

 それぞれが、各々の立場で、各々の責任の下、良い高知大学を創ることを誓って、今日から、みんなで歩き始めましょう。


平成16年4月9日


国立大学法人 高知大学 学長 相良 祐輔


 

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