大学紹介

平成24年度 高知大学入学式学長告辞

 入学生の皆さん、高知大学へのご入学おめでとうございます。

 皆さんは熾烈な受験生活を乗り越えて、国立大学法人高知大学という難関を突破され、晴れて今日の日を迎えられました。これまで、積み重ねてこられた皆さんの努力に敬意を表します。

 皆さんのこれまでの勉強は、決められた範囲の、教えられたことを理解し記憶することで、良い成績を上げることが出来るものでした。言ってみれば、これは受け身の勉強であります。これに対して、大学生に求められる勉強は自律的、能動的な勉強であります。今日からは、このことを胸に刻んで大学生活に臨むことを願っております。

 自律的学習とは皆さん各自の個性に基づく目標を設定し、その目標に到達するためには、何をどのように習得するべきであるかを自問することから始まります。言い換えれば、大学生活の中で、皆さんが感じた問題を解決するためには何が必要であるのか、何を調べればよいのか、誰の協力を得る必要があるのか、調べた結果、何をどのように考え、どのような行動に移すのか、行動の結果をどのように検証するのかなどの方策を自力で身につけることです。それが、大学生が最初にクリアするべき課題です。分からないことを安易に教員に質問するのではなく、まずは自分で調べて、解決できた部分と解決できなかった部分を明確にして頂きたい。その上で教員と討論することが大切であります。正解は必ずしも一つだけとは限らず、正解を教えてもらうのではなく、学ぶプロセスを教員に教えさせる姿勢も大切であります。日頃の工夫によって生活感のある知識と技能を身につける努力をしないと、いわゆる座学だけでの実践できない、社会で生かすことが出来ない浅薄な知識になるでしょう。もちろん、大学は優れた教育成果をあげる方策の計画と検証、そして改善を繰り返しています。

 さて、二十一世紀は新たなパラダイムを構築する世紀と位置づけられておりますが、未だに模索されている段階であり、世界は混乱から抜け出ることが出来ておりません。このような時こそ、教養豊かで指導力のある若者の活躍が期待されます。高知大学は、これまで以上に地域に根ざし、二十一世紀が求める地域と共に発展する大学、オンリーワンの大学に進化する志をもって改革を進めつつあるところです。皆さんはチャンス、チャレンジ、チェンジ、クリエイトの四つの単語を覚えておいて下さい。皆さんが高知大学で学ぶ機会を与えられたことを絶好の好機Chanceととらえ、常に挑戦Challenge精神を持ち、受け身の学習から能動的、自律的な学習へと意識改革Changeして、ステップアップした自分を作り上げるCreateされることを期待します。この高知大学が掲げている四つのCは二十一世紀のリーダー候補生というべき高知大学の学生となった皆さんにも相応しい目標であります。

 皆さんは、高知大学に入学して、私たちと共に学ぶことを許可された、選ばれた人です。そして、高知大学で学ぶことは、国民の血税をもって教育される権利を得たということでもあります。それは、エリートだけが享受することを許されており、エリートにはこの権利に加えて身につけるべきプライドと規範があります。この国で、そして国際的に活躍できるリーダー候補生として、いたずらに権利を主張するのではなく、如何にして社会に貢献するかということを考えながら学んで下さることを願っております。

 まさに、維新前夜の土佐とも言うべきこの高知大学で学ぶみなさんには、大きな期待がかけられています。高知大学のキャンパスで、私たち教職員と共にあなたの果敢な挑戦の第一歩を進めて下さい。

 入学おめでとう。


平成24年4月3日

国立大学法人 高知大学 学長 脇口 宏


 

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