大学紹介

令和4年度 入学式 告辞

 高知大学に入学を許可された皆さん、ご入学おめでとうございます。在学生、教職員を代表してお祝いと歓迎の言葉を贈ります。

 ご家族の皆さま、おめでとうございます。連日、コロナ禍と背中合わせの苦しい生活が続く中、晴れて大学生・大学院生を送り出されたこと、皆さまと共に心からお喜び申し上げます。

 

 皆さんは今日から、高知大学の一員、つまり、「チーム高知大学」のメンバーになったのです。チーム高知大学に所属する人は全員、互いに励ましあい、切磋琢磨する友人であり、家族でもあります。

 

 高知大学は、地域に根差し、地域と共に発展することで、不断に進化する国立大学 “Super Regional University”を目指しています。これまでに、Super Regional Universityとなるためのエンジンを備えるために組織改革に取り組み続け、学部、修士課程そして、今年の四月からは新しい博士課程もスタートします。近く、校友会も設立予定です。みんなで高知大学を盛り上げていきましょう。

 

 さて、新入生諸君はコロナ禍をどのように捉えていますか?人生に立ちはだかる大きな壁のように感じている人も多いのではないでしょうか。この壁を壊して突破するということには、Break throughという言葉がぴったり当てはまります。今日は、私のマレーシアボルネオ島での植林の経験からBreak throughのお話をします。私は2000年頃に、数十ヘクタールの荒廃地に、植林によって熱帯雨林生態系を復活させるというプロジェクトに参加していました。現地の政府と協議し、山から種を集め、苗を作り、一万本の苗木を現地に移植し、80m級の樹木を擁する生態系を創成するという事業の責任者をしていました。しかし、前例のない壮大な取り組みであるため、確立された技術がなく、大変な作業でした。数年かけて準備し、ようやく移植を終えた直後から、エルニーニョの影響を受け、数十年に一度あるかないかの大干ばつに襲われました。7種類の樹木を植栽したのですが、7割から9割の苗が枯れてしまいました。大失敗になる、そう感じられました。しかし、苦悩の中でハッと気づきました。厳しい自然環境に直面したこの場面は、我々の力では到底作り出せない状況であり、そこで苗の定着と死滅の状況を解析することで、現場型で大型の実証実験ができると。これはむしろ、チャンスです。その後、生態系創成実験の貴重なデータとして世界に発信することができました。皆さんもこれからの大学生活で、コロナ禍以外にも様々な壁に直面することでしょう。どうか、諦めることなく、何事もチャンスととらえ、自分を磨き続け、Break throughできる人になってください。

 

 これからもDXを中心に社会はますます進化、発展していくでしょう。新しい時代の真ん中でそれを担うことになる皆さんに、ひとつお願いがあります。SDGs(Sustainable Development Goals)に向かって、世界中が様々な取組を続けています。本学において学業を修めている間に、世界的な視野もより広く深く磨いてください。そして、自分に適した生き方を見つけてください。

 

 まだまだ進化し続ける高知大学に是非期待してください。

 そして、そのど真ん中で自らをしっかりと磨いてください。

 

 あらためて言います。

 入学おめでとう。

 Super Regional Universityへようこそ。

 

 

令和四年四月三日

高知大学 学長 櫻井克年

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