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シーボルトミミズ
Metaphire seiboldi (Horst, 1883)(フトミミズ科フクロフトミミズ属)(高知市内で撮影:遠藤広光)


Phylum Annelida 環形動物門(16,500**)海産,淡水産,陸産 
 Class Polychaeta 多毛綱 *異規的体節をもつ ゴカイ類,ケヤリムシ,イバラカンザシ
 Class Clitellata 有帯綱 *環帯 (clitellunm)をもつ 
  Subclass Oligochaeta 貧毛亜綱 *同規的体節をもつ ミミズ類
  Subclass Hirudinoidea ヒル亜綱 *体内部には体節がなく,外部では1〜16環帯で1体節が形成される

*Pogonophora 有鬚(ゆうしゅ)動物門とEchiura ユムシ動物門(約150種)は,分子系統解析の結果から多毛綱の一群と考えられている.熱水噴出口付近に生息するチューブワームやハオリムシ類は有鬚動物.
*Sipuncula 星口動物(約320種)は分子系統解析から環形動物の一群と考えられている. ホシムシ類

おもな特徴
1.真体腔(裂体腔)で左右相称,体節構造のある体をもつ 
2.発生様式は典型的な前口動物型で,体節が端細胞 (teloblast) から生じる
3.消化管は完全で,通常は部分的に特殊化する
4.閉鎖血管系(closed circulatory system) をもつ *環形動物型循環系:心臓はなく,背行血管が規則的に収縮する
5.はしご状神経系 (ladder-like nerve system) がよく発達する *神経索 (nerve cord) は腹部正中線に沿って走る
6.大部分の種は後腎管 (metanephridium) をもつ *少数は原腎管をもつ
7.体節ごとに剛毛 (seta) を1対もつ
8.筋肉系がよく発達し,環状筋と縦走筋をもつ *静水骨格
9.頭部は口前葉 (prostomium) と囲口節 (peristomium) からなる
10.雌雄異体あるいは同体で,トロコフォア幼生をもつ *陸産の有帯類は通常雌雄同体で直接発生(幼生期を経ない)
11. ヒル類を除いて強い再生能力をもつ

体節制 (metamerism)
 多毛類では異規的体節 (heteronomous metamere): 頭部・胸部・腹部の各体節がお互いに構造上の顕著な違いを示す
 貧毛類では同規的体節 (homonomous metamere): 各体節が同様の構造を示す

体節制の利点(Clark, 1964)
1.繰り返し構造で遺伝情報を節約でき,材料の調整が容易
2.体の大型化に対して,多数の小室構造で一定の強度を保つことができる *静水骨格を利用
3.各体節の継時的な協調運動により移動速度が増すことができる


参考文献


リンク
日本産ミミズ大図鑑 http://japanese-mimizu.jimdo.com/


Hiromitsu Endo