シーボルトミミズ Metaphire seiboldi (Horst, 1883)(フトミミズ科フクロフトミミズ属)(高知市内で撮影:遠藤広光)
おもな特徴
1.真体腔(裂体腔)で左右相称,体節構造のある体をもつ
2.発生様式は典型的な前口動物型で,体節が端細胞 (teloblast) から生じる
3.消化管は完全で,通常は部分的に特殊化する
4.閉鎖血管系(closed circulatory system) をもつ *環形動物型循環系:心臓はなく,背行血管が規則的に収縮する
5.はしご状神経系 (ladder-like nerve system) がよく発達する *神経索 (nerve cord) は腹部正中線に沿って走る
6.大部分の種は後腎管 (metanephridium) をもつ *少数は原腎管をもつ
7.体節ごとに剛毛 (seta) を1対もつ
8.筋肉系がよく発達し,環状筋と縦走筋をもつ *静水骨格
9.頭部は口前葉 (prostomium) と囲口節 (peristomium) からなる
10.雌雄異体あるいは同体で,トロコフォア幼生をもつ *陸産の有帯類は通常雌雄同体で直接発生(幼生期を経ない)
11.
ヒル類を除いて強い再生能力をもつ
体節制 (metamerism)
多毛類では異規的体節 (heteronomous metamere): 頭部・胸部・腹部の各体節がお互いに構造上の顕著な違いを示す
貧毛類では同規的体節 (homonomous metamere): 各体節が同様の構造を示す
体節制の利点(Clark, 1964)
1.繰り返し構造で遺伝情報を節約でき,材料の調整が容易
2.体の大型化に対して,多数の小室構造で一定の強度を保つことができる *静水骨格を利用
3.各体節の継時的な協調運動により移動速度が増すことができる
参考文献
リンク
日本産ミミズ大図鑑 http://japanese-mimizu.jimdo.com/