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"Cephalorhyncha" 有棘動物(ゆうきょく)
 Phylum Kinorhyncha 動吻動物門 *約150種 ギリシャ語 “kinema=動き,rhynchos=吻,
 Phylum Loricifera 胴甲動物門 *約23種 ラテン語 “lorica=鎧の胸当て,コルセット,ferre=もつ
 Phylum Priapulida 鰓曵動物門 *約16種 ギリシャ語 “Priapos=男性の生殖能力を擬人化した男根の


動吻動物の特徴  *体サイズは1 mm 以下,海の好気的な砂泥底の間隙に生息するYouTube
1.三胚葉性,左右相称,偽体腔
2.
体は明瞭な13体節からなるが,内部に体節的隔壁はない
2.体表にクチクラ層をもち,脱皮により成長する
3.体表に繊毛をもたない
4.消化管は完全で,体の前端に口が,後端に肛門が開く
5.第1体節は反転可能な円筒形の吻となり,7列の冠棘,9本の口棘をもつ
6.1対の原腎管をもつ
7.循環器系と呼吸器系を欠く
8.雌雄異体で,1個または1対の生殖腺をもち,交尾による体内受精を行う.直接発生


胴甲動物の特徴  *体サイズは1 mm 以下,浅海から深海まで好気的な砂泥底の間隙に生息する
1.三胚葉性,左右相称,偽体腔
2.体は口錘部,頭部,頸部,胸部
,胴部からなる
  *
頭部,頸部,胸部は胴部に引き込むことができる
3.複雑な口部をもち,口錘部は反転する.口の周囲に多数の冠棘をもつ

4.胴部はクチクラの被甲(lorica)で覆われる
5.消化管は完全
6.1対の原腎管をもつ
7.循環器系と呼吸器系を欠く
8.雌雄異体で,ヒギンズ幼生期を経る *鰓曵動物の成体に似る

*1983年に初めて報告された動物門


鰓曵動物の特徴  *体サイズは0.5 mm 以下~20cm,海産の底生性で,世界の海域に生息する
1.三胚葉性,左右相称+放射相称,偽体腔,無体節(体表に横皺がある)
2.体は吻部,
胴部,尾部に分かれる
3.口の周辺に冠棘をもつ
4.体表のクチクラは薄く,定期的に脱皮をおこない成長する
5.神経索は腹側正中線を縦走する *放射相称的に配置される

6.消化管は完全で,体の前端に口が,後端に肛門が開く
7.原腎管をもつ
8.循環器系を欠く
9.1〜2個の尾状付属器の働きは不明(呼吸器系?)
10.雌雄異体で,体外または体内受精を行う
11.
ロリケイト幼生期を経る *胴甲動物の成体に似る

*大型種は寒冷水域に分布し,肉食性で待ち伏せ型の捕食者
*小型種は泥食性(デトライタス食)


Hiromitsu ENDO