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"Mesozoa 中生動物"(ちゅうせい)
 *研究者により分類が異なる.藤田(2010)「動物の系統分類と進化」では下記の2門.
1. Phylum Orthonectida 直泳動物門(ちょくえい)(約25種***)
2. Phylum Rhombozoa 菱形動物門(りょうけい)(約110種***) 二胚虫・異胚虫 
 *Class Dicyemida 二胚虫綱 とする場合もある

 * "Monoblastozoa" 一胚葉動物 *Salinella salva サリネラ 原記載以来報告のない謎の動物.体サイズは 2 mm.


直泳動物の特徴
1.体サイズは 1mm 以下で,海産の底生性無脊椎動物(扁形,紐形,環形,棘皮など)の組織や体腔中に寄生する.
2.体表には1層の体皮細胞が環状に配列し,表面はクチクラで覆われる.
3.体の前後端には繊毛が密に見られる.
4.生殖細胞と未分化の筋細胞がみられ,組織や器官はない.
5.雌雄異体で,多くの種では性的二型が見られる.

菱形動物(二胚動物)の特徴
1.体サイズは 1mm 以下で,細胞数が最も少ない(おそらくミクソゾア類を以外の後生動物中).頭足類の腎嚢内や鰓心臓腔内に寄生する.
2.体は1個の円筒型の軸細胞 (axial cell) をおよそ10~30個(最大で43個)の繊毛をもつ体皮細胞が取り囲む.
3.組織や器官がない.
4.体の先端に極帽 (calotte) をもつ.極帽の表面には繊毛が多い.
5.無性・有性の両生殖法を行い,2種類の幼生をもつ(非配偶子から無性的に形成される蠕虫型幼生と自家受精した受精卵から発生する滴虫型幼生)


リンク

古屋秀隆「ニハイチュウの自然史」(公益財団法人 藤原ナチュラルヒストリー振興財団)(2009)

沖縄科学技術大学院大学 OIST「 寄生の証明:ニハイチュウの新知見」(2017/07/18)


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