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Pogonophora 有鬚(ゆうしゅ)動物” すべて海産で,底生性
*多毛綱ケヤリムシ目クダヒゲ科とする扱いが有力.ここでは2綱を認める従来の分類体系を示す 
 Class Perviata ヒゲムシ綱(約90種)
 Class Obturata ハオリムシ綱 (8属10種以上) 
 *深海底の熱水鉱床に生息するチューブワーム類 **1969年にガラパゴス沖の熱水噴出孔周辺から発見された

おもな特徴
1.真体腔,左右相称で円筒形の体をもつ *ヒゲムシ類では体前方部の体腔はよく発達(ハオリムシ類では未発達)
2.体は4部分からなり,最後部の後体に体節構造が見られる
 *ヒゲムシ類では前体(1〜数百本の触手をもつ),中体,胴部および後体 
 *ハオリムシ類では殻蓋部,ハオリ部,栄養体部,後体(剛毛を備え,5〜100の体節からなる)
3.成体は口,消化管および肛門を欠く  *ハオリムシ類は幼生期に一時的に消化管をもつ
4.閉鎖血管系で、血液中にヘモグロビンをもつ
5.硬タンパク質とキチン質からなる棲管にすむ
6.雌雄異体,らせん卵割型でトロコフォア幼生を経る

*ハオリムシ類の胴部には硫黄酸化細菌が共生する.熱水噴出孔から出る硫化水素と酸素から共生細菌が炭酸同化と有機物合成を行い,その一部をハオリムシ類が利用する.


Hiromitsu Endo