大方町の上川口漁港と入野漁港,佐賀町の佐賀漁港での標本採集

 高知県西部の幡多郡の大方町や佐賀町では沿岸の小型底曳き網漁業が行われています.これらの漁港は中村市の手前にあり,高知市内からはおよそ100km,車で2時間ほどかかります.普段は早朝6時に研究室を出発し,8時過ぎに上川口漁港へ到着,9時頃に入野漁港へ移動,その後引き返して10時半頃に佐賀漁港へ行きます.この日の佐賀漁港では,昼過ぎに戻ってくる船もありましたが,夏場は暑いので普段は昼頃に仕分けの作業が終わります.

上川口漁港(2001年8月23日午前8時〜):船からの水揚げの様子.岸壁から市場内まで約20mほどの距離を,漁獲物の入ったカゴを小型のリヤカーに乗せて運びます.この船の漁獲物はカゴ10杯分でした.商品価値の高い魚は,船上で粗方分けてありますが,その他は市場内に台を出してより分けます(写真最後).この台の上を見たり,ゴミとして捨てられるものの中を探したりして,標本を採集します.浅海性の甲殻類,貝類,棘皮動物など様々な無脊椎動物も見ることが出来ます.ハモは夏場が旬なので値段が高く,どの漁港でもけっこう獲れていました.この地域で漁獲されるハモも,京都方面の料亭へ送られるそうです.

 上川口漁港で底曳き網漁を行う船は4隻ですが,この日は1隻が観光客を乗せてホエール・ウォッチングへ出掛けていました.佐賀町や大方町の沖合いはニタリクジラなどの鯨類が多く,夏場はどの漁港でも観光でホエール・ウォッチングを行っています.


入野漁港(2001年8月23日)この日はJICAの研修生の市場見学を兼ねていました.「じゃこ天」の材料となるホタルジャコが大量に獲れていました.チダイ.コショウダイを持って記念撮影するJICA研修生.こちらをにらむニジアマダイ,タカクラタツとイトヒキハゼ.


佐賀漁港(2001年8月23日):イトヨリダイ,ハモ,ホタルジャコ,チダイなどの入ったカゴ.右はやや珍しいツバクロエイ.


(遠藤広光) 新着情報へ戻る  調査&採集へ戻る