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2003年 5月
タイワンザメ Proscyllium haberei Hilgendorf
, 1904 (メジロザメ目タイワンザメ科)

 タイワンザメ科には4属7種が含まれ,そのうち日本近海からは,タイワンザメとヒョウザメの2種が知られています.両種は南日本の太平洋岸から東シナ海沿岸,南西諸島の水深100m以浅にかけて分布し,高知県沿岸でも両種の記録があります.両種は,体にある黒色斑点の数により識別されます(タイワンザメでは疎ら,ヒョウザメでは密).しかし,他の形態の違いは見つかっていません.そのため,斑点の数の違いを個体変異と見なし,ヒョウザメをタイワンザメのシノニムとして,タイワンザメ1種のみを有効とする見解もあります.両種の分類については,現在北海道大学水産学部の仲谷一宏教授が研究中です.

参考文献
仲谷一宏.1996.メジロザメ目.千石正一・疋田 努・松井正文・仲谷一宏(編),pp. 132-143,日本動 物大百科.5:両生類・爬虫類・軟骨魚類.平凡社,東京.
仲谷一宏.1997.タイワンザメ科.Proscylliidae. 岡村 収・尼岡邦夫(編),p. 42,日本の海水魚,山と渓谷社,東京.

写真標本データ:BSKU 63900, 602 mm TL, 2003年4月10日, 高知県高知市御畳瀬魚市場で採集(撮影:平松 亘).

(遠藤広光)


(C) BSKU Laboratory of Marine Biology, Kochi University