土佐の動植物と絶滅危惧種
開講日 11月7日・14日・28日、12月5日・12日(毎週金曜日,18:30-20:30)
場所 高知市文化プラザ「かるぽーと」 
受講料 6,200円
内容  近年、生物多様性の保全の必要性が強く再認識されている。生物多様性の危機をもたらしている主な要因として、環境省のまとめた新・生物多様性国家戦略の中では次の3つをあげている。すなわち、1)人間の活動や開発に伴う生息・生育地の破壊、2)自然に対する人間の働きかけの減少、3)移入種や化学物質による影響の3つである。
 本公開講座では,最初に高知県に生息・生育する動植物(種子植物、蘚苔類、地衣類、魚類、哺乳類など)に関する基礎的な知識の解説を行う。そして、特に絶滅の危機に瀕している動植物の生息・生育環境の現状を見直し、その保全に対して取り得るべき方策などを考え直してみたい。例えば、蘚苔・地衣類や哺乳類などは生息・生育地の破壊によって大きな影響を受けてきたし、絶滅危惧種にあげられている種子植物の約半数は里地里山など人間の干渉のもとに生育してきた種である。また、日本在来の魚類は外国からの移入種や化学物質による汚染に大きな影響を受けている。このような現状に対して、すでに多くの取り組みがなされているが、その有効性を再検討するとともに今後の課題についても考えてみたい。

第1回 石川愼吾
 
本公開講座の最初の時間なので、まず、生物多様性という言葉の持つ意味とその価値について解説し、なぜ生物多様性を保全する必要があるのかを考える。次に、高知県において絶滅の危機に瀕している種子植物の実態を紹介し、今後取り組んていくべき課題について検討する。

第2回 「土佐のコケ類と絶滅危惧種」 松井 透
 コケ類は身近な植物ですが、意外にその実体は知られていません。本講座では、コケ類とはどのような植物であるかを豊富な画像を用いて分かりやすく紹介するとともに、絶滅危惧種とされるコケ類の実情について考えてみたいと思います。

第3回 「高知県の地衣類」 岡本達哉
 私たちの身の回りには、様々な地衣類が生育しています。しかし、種子植物やシダ植物と違って関心を持つ人が少なく、その実体はあまり知られていません。今回は地衣類の体の構造や生活の様子、そして高知県で見られる種の特徴と現状について解説します。

第4回 「高知県の汽水・淡水魚類」 遠藤広光
 昨年出版された高知県レッドデータブック[動物編]には、汽水・淡水域に出現する216種の魚類が掲載されています。それらのうち、絶滅のおそれのある種を中心に高知県の汽水・淡水魚類について紹介します。

第5回 町田吉彦
 高知県は日本で残された哺乳類の天国の一つと言われており、ニホンカワウソの存在がそれを雄弁に物語っています。
 しかし現在、物部村を含む剣山系でツキノワグマの絶滅が危ぶまれています。この講座では、哺乳類と人間について考えていきます。
講師紹介 石川愼吾(いしかわ しんご)
高知大学教授(理学部自然環境科学科,理学博士)
専門分野:植物生態学,植生学,保全生態学
研究テーマ:河辺植生の動態,撹乱立地に生育する植物の生活様式
著書:「河川環境と水辺植物」(ソフトサイエンス社)分担執筆

松井 透(まつい とおる)
高知大学助教授(理学部自然環境科学科)
博士(理学)
平成元年 広島大学大学院理学研究科博士課程前期修了
平成3年より高知大学に勤務
専門分野:植物分類学
主な研究テーマ:アブラゴケ科およびキンシゴケ科蘚類の分類学的研究,四国の蘚類相の研究

岡本達哉(おかもと たつや)
高知大学講師(理学部)
博士(理学)
専門分野: 植物分類学、地衣学
主な研究テーマ: ダイダイキノリ科地衣類の分類、四国地方の地衣類相

遠藤広光(えんどう ひろみつ)
高知大学講師(理学部,水産学博士)
1964年生まれ
研究テーマ:深海底生性魚類の分類学・系統学,高知県の魚類相

町田吉彦(まちだ よしひこ)
高知大学教授(理学部、海洋生物教育研究センター)
1947年秋田県生れ
高知大学文理学部理学科卒業
九州大学大学院理学研究科博士課程単位修得退学
長崎県衛生公害研究所研究員を経て高知大学理学部に赴任
高知大学海洋生物教育研究センター教授兼担
専門分野:魚類分類学特に深海魚の分類、水生動物生態学、高知県の自然史と自然環境保全
高知県文化財保護審議会委員,国土交通省四万十川エコリバー、研究会委員など多数を兼務